犬神は、特定の家筋いえすじに憑くとされる小さな犬の姿の霊で、その家の者が念じることで相手に取り憑き、原因不明の病や狂乱を引き起こすという憑き物信仰。四国地方、特に徳島・高知の県境に濃い伝承が残る。犬を飢えさせて首を落とし、その怨念を使役するという儀式めいた由来譚が伝わる一方、この信仰が特定の家筋いえすじへの差別につながっていたという歴史があることは、福井の牛蒡種ごぼうだねと同様、記録しておくべきだと思う。