化け猫は、猫が妖怪に変化したもの。猫又と混同されることが多く、区別は曖昧である。猫が妖怪視された理由として、夜行性であること、眼が光ること、時刻によって瞳の形が変わること、暗闇で背中を撫でると静電気が起きることなどが挙げられる。俗信として広く知られるのが「行灯の油を舐める」というもので、江戸時代の百科事典『和漢三才図会』にも、猫が油を舐めるのは怪異の兆候だと記されている。ただしこれには現実的な説明がある。近世の灯火には安価な鰯油などの魚油が使われており、猫がそれを好んで舐めたためである。当時の日本人の食生活は穀物・野菜が中心で、その残りを与えられる猫は、肉食動物でありながら脂肪分が不足していた。それを補うために油を舐め、行灯に向かって二本足で立ち上がる。その姿が妖怪視された。各地に化け猫騒動が伝わり、佐賀の鍋島、久留米の有馬、岡崎が三大猫騒動とされる。ただし岡崎の話は鶴屋南北の歌舞伎『独道中五十三駅』による創作であるため、代わりに徳島のお松大権現を入れる数え方もある。