小松和彦は実在の人物であり、以下の経歴・年代は、国際日本文化研究センター公式サイト、imidas、現代ビジネス著者紹介、Wikipedia「小松和彦」の記述にもとづく史実として書いている。学説の評価は編者の私見として分けて書く。
1947年(昭和22年)、東京都生まれ。東京都立大学大学院社会科学研究科博士課程修了。専攻は文化人類学・民俗学。信州大学助教授、大阪大学教授を経て、1997年から国際日本文化研究センター(日文研)教授、2012年には第6代所長に就任した。2002年、日文研公式サイトに「怪異・妖怪伝承データベース」を開設。2013年紫綬褒章、2016年文化功労者。現在も研究・発言を続けている、この台帳が最も頻繁に参照している研究者である。
史実:小松は、柳田の「神の零落」論に真っ向から異を唱え、妖怪は神と並んで最初から存在しており、人間に必要とされる存在として今後も創造され続けると論じた。フィールドである高知県物部村で、山姥が神に祀り上げられる事例を確認し、神と妖怪は人間の働きかけによって相互に転移可能だと指摘している。また、妖怪という概念を「妖怪現象(出来事)→妖怪存在(原因)→妖怪表象(造形化された姿)」の三段階で説明した。『憑霊信仰論』では、アメリカの人類学者ジョージ・M・フォスターの「限定された富のイメージ」を援用し、貨幣経済が浸透した近世社会で霊的存在に負のイメージが付与されていった過程を論じている。
私の見方:柳田の「零落」論と、小松の「創造され続ける」論は、正反対の時間軸を向いている。零落論は過去から今への下降を、小松の論は今から未来への継続を見ている。この台帳で「今も新しい妖怪が生まれ続ける」という前提を置いているのは、明確に小松の側に立っているということだと思う。近現代妖怪という創作企画自体が、小松の学説を実践的に検証しようとした試みでもある。
東京都に生まれる。
東京都立大学大学院博士課程修了。
『憑霊信仰論』刊行。
国際日本文化研究センター教授。
「怪異・妖怪伝承データベース」開設。
『日本妖怪学大全』編著。
国際日本文化研究センター第6代所長就任。
紫綬褒章受章。
文化功労者。