まとめ魔は、会議の終わり際に現れる。誰かが出したアイデアを、「つまり、こういうことですよね」と自分の言葉で言い直し、その場の空気を持っていく。言い直された側は、内容が合っているだけに、強く否定できない。次第に、そのアイデアは「まとめた人のもの」として記憶されていく。
まとめ魔自身は、何も生み出していない。ただ、人の言葉を整えて返しているだけである。しかし整える技術だけが評価され続けるうち、まとめ魔は、自分が何かを作れる側の人間だと思い込むようになる。
だが実際には、誰かが何も出さない会議では、まとめ魔は何も語れない。空っぽの場所では、まとめる対象がないからである。
他人の言葉を整え直して、自分のものとして差し出させる。整える技能だけが評価され続けることで、自分では何も生み出せなくなる。一体になれば、誰かが何も出さない場では、何も語れなくなる。
小物の妖怪は、悪戯好きだと思って可愛がりながら、うまく付き合えばいい。だが大妖怪は違う。絶対に一体になってはならない。