謙遜狸は、褒められることを望みながら、褒められる前に必ず自分を下げる。「大したことないです」「まだまだです」。この言葉は、謙虚さのためではなく、次に来る褒め言葉を呼び込むための餌である。周囲は、その謙遜を否定するために、さらに強い褒め言葉を探すことになる。うまく機能している間は、謙遜狸はいくらでも褒められる。だが、餌に誰も食いつかなくなった瞬間、謙遜狸は宙に浮いた自己否定の言葉だけを抱えて立ち尽くす。自分で下げた自分を、誰も拾いに来ない。
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