ケロリンパは、洗い場に転がったままの桶に棲む妖怪である。使い終わった者に取り憑いて、そのまま立ち去らせる。泡の残った椅子、伏せられていない桶、床に流されていないシャンプー。どれも十秒で済む片付けなのに、この妖怪に憑かれていると、その十秒を惜しんでしまう。次にそこを使う人が、まず掃除から始めることになる。桶を伏せて、椅子に湯をかける。その二動作で、ケロリンパは棲む場所を失う。伏せられた桶の中には、この妖怪は入れないのだという。
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