うわんは、佐脇嵩之『百怪図巻』(1737年)や鳥山石燕とりやませきえん『画図百鬼夜行がずひゃっきやぎょう』(1776年)に見られる、正体不明の妖怪。鉄漿(お歯黒)を付けた人物風の姿で両手を挙げ、声で人を脅かすように描かれているが、石燕の解説文は付されておらず、来歴は不明のまま伝わっている。屋敷の塀や廃屋を背景に描かれることから、「屋敷に出る怪」として解釈されることが多い。先行する絵巻には「わうわう」「うわんうわん」といった類似の図像があり、その系譜に連なる、名前と姿だけが残された妖怪と考えられている。