焼夷子は、かつて大規模な焼失のあった区画に居着くとされる妖怪である。特定の誰かに憑くのではなく、その土地そのものに棲む。この妖怪がいる区画では、火が出そうになるたび、なぜか誰かが直前に気づく。煙の匂いに敏感になる、消し忘れを思い出す、通りかかった人が振り返る。焼夷子は、火を出す妖怪ではなく、火が出る前に人の注意を引く妖怪だといわれる。その土地が二度と同じことを繰り返さないように、火の気配だけを人に伝え続けているのだという(実在の災禍を描いたものではなく、あくまで創作上の設定です)。
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