レールの継ぎ目からだけ聞こえる、規則正しい虫の音のような響き。誰も、その虫を見たことがない。軌道虫は、鉄道という新しい速さそのものへの、人々の恐れが形になったものだと考えられている。捕まえようとレールの下を掘った保線工が、何も見つけられなかったという記録だけが、報告書に残っている。
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