置き忘れた傘が、なぜか後日、戻ってくることがある。店の傘立てに残っていた、誰かが届けてくれていた、駅の忘れ物に出てきた。傘返し狐は、そういう偶然を静かに手配してくれる妖怪だといわれる。明治以降、洋傘が普及して「置き忘れる」という失敗が日常になってから現れた。全部の傘を戻せるわけではなく、本当に困っている人の傘を、一本だけ選んで返すという。
→ 近現代妖怪の一覧に戻る