岡山・鬼ノ城に伝わる温羅は、百済から渡来したという鬼神きじんで、吉備津彦命に討たれた伝説が桃太郎の原型になったとされる。首を犬に食わせても唸り続けたため釜の下に埋めたという結末が、吉備津神社きびつじんじゃの鳴釜神事の由来になっている。渡来系の製鉄集団と大和朝廷側勢力との対立を象徴する説話という解釈もあり、討伐対象という語られ方の裏に、もう一つの歴史がある気がしてならない。