ぬらりひょんは、夕暮れ時に人家に上がり込み、当たり前のようにお茶を飲んでくつろぎ、家人が気づいた時にはもう姿を消しているという妖怪。秋田県・岡山県の伝承や江戸期の黄表紙きびょうしに、禿げ上がった大きな頭を持つ痩せた老人として描かれている。もともとは単独で悪さをする愉快犯のような存在だったが、『ゲゲゲの鬼太郎』では日本の妖怪の総大将、鬼太郎の宿敵という大きな役割を与えられ、この創作上の設定の方が広く知られるようになった。伝承の姿と創作の姿がこれほど乖離した例も珍しいと思う。