静岡に伝わるべとべとさんは、夜道で背後からついてくる足音の主。姿はなく、気配だけで存在が知られる。「べとべとさん、お先へどうぞ」と声をかけると先に行かせてもらえ、以後ついてこなくなるという。夜道の孤独感を説明する軽い怪異譚の典型で、恐怖よりも作法に近い対処法が伝わっているのがいいと思う。