受け取ったお釣りの小銭が、一枚だけ手からこぼれて転がっていく。小銭転がし鼠は、その一枚を狙って落とさせる妖怪である。転がった硬貨は、必ず一番拾いにくい隙間に入り込む。明治の貨幣制度が整い、硬貨を日常的に扱うようになってから現れた。この妖怪が落とすのは、いつも小さい額である。大きい額を落とさせないのは、良心なのかもしれない。
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