要点:掌蹠膿疱症では金属パッチテストが陽性になる患者が一定数いて、歯科金属の除去が悪化因子対策として行われる。
「歯の詰め物を全部セラミックに変えたら治る」という話を、ネットではよく見かける。実際に調べてみると、この話はかなり単純化されすぎているとわかってきた。
調査で分かっていること
掌蹠膿疱症では金属パッチテストが陽性になる患者が一定数いて、歯科金属の除去が悪化因子対策として行われる。ただし257例を対象にした調査では、歯科金属を除去しても治癒した症例はなく、むしろ歯性病巣や扁桃病巣の治療を受けた症例に治癒が集中していたと報告されている。金属除去群と非除去群のあいだで皮膚所見の改善度に有意差はなかったという結果も出ている。
関与の大きさは限定的
そもそも関与の大きさ自体が、ネットで語られるほど大きくない可能性がある。掌蹠膿疱症と歯科金属アレルギーの関係は、病巣感染との関係と比べるとかなり割合が小さく、5〜10%程度の関与とも報告されている、とする指摘がある。「金属アレルギーが原因」という説明が広まりすぎている一方で、実際の寄与はもっと限定的だ、という見方だ。
ニッケルだけは例外
一方でニッケルに限っては、除去や含有食品の制限が有効な症例があるとされ、病巣感染の治療を優先したうえで、ニッケル除去を検討するのが妥当という結論になっている。「金属を全部変えれば治る」という単純な話ではなく、パッチテストで陽性が出た金属について、病巣治療と並行して考える、というのが実情に近い。
費用面から見た優先順位
これは費用の面でも大事な情報だと思う。歯科金属をセラミックなどに置き換える治療は、基本的に保険が効かず、本数によっては数十万円という単位になる。先に扁桃や歯の病巣を調べてもらう、パッチテストで実際に陽性が出た金属だけを対象にする——この順番を守るだけで、無駄になる出費をかなり避けられるはずだ。
よくある質問
歯科金属をすべて除去すれば治りますか?
257例の調査では、歯科金属を除去しても治癒した症例はなく、除去群と非除去群で皮膚所見の改善度に有意差はなかったと報告されています。関与は5〜10%程度という指摘もあります。
それでも金属除去を検討する意味はありますか?
ニッケルに限っては、除去や含有食品の制限が有効な症例があるとされています。病巣感染の治療を優先したうえで、パッチテストで陽性が出た金属について検討するのが妥当とされています。