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歌劇「フィガロの結婚」より 手紙の二重唱(そよ風によせて)
『フィガロの結婚』第3幕で、伯爵夫人とスザンナが偽の恋文を書く二重唱です。『ショーシャンクの空に』での使用で広く知られています。穏やかな音楽の中で、実は策略が進んでいるという取り合わせにも興味をそそられます。
作曲の経緯
『フィガロの結婚』はボーマルシェの戯曲を原作にダ・ポンテがイタリア語台本を書き、モーツァルトが30歳の1786年に完成させたオペラ・ブッファです。手紙の二重唱は第3幕の一場面で、伯爵夫人が口述し、侍女スザンナが書き取る形で進みます。二人は浮気心のある伯爵を懲らしめるため、夜の逢い引きを約束する偽の手紙をしたためます。喜劇の筋を進める場面でありながら、2人のソプラノが声を絡ませる音楽は、物語を離れても独立した美しさを持ちます。作曲の詳しい経緯や日付はこの調査では確認できなかったが、初演はウィーンのブルク劇場で行われ、一定の好評を得たもののその後ウィーンでは別のオペラに押されました。一方でプラハでは大成功を収めたと伝えられます。
出版・初演
オペラ初演は1786年5月1日、ウィーンのブルク劇場です。楽譜の初版情報は未確認です。
題名・通称の由来
イタリア語の冒頭句「Sull'aria... Che soave zeffiretto」(そよ風に乗せて…なんと優しい西風よ)に由来します。劇中で手紙を書く場面であることから「手紙の二重唱」と呼ばれます。
構成分析
- 導入 伯爵夫人が口述し、スザンナが書き取る形で始まります。
- 手紙の口述 伯爵を夜の庭に誘う文面を二人で書き進めます。
- 反復と終結 二人の声が絡み合い、手紙を仕上げます。
音楽的特徴
2人のソプラノ(伯爵夫人とスザンナ)による短い二重唱です。穏やかな旋律が、策略を進める場面でもあるという二重性を持ちます。
演奏のポイント
声質の異なる2人のソプラノが、旋律を追いかけ合い、最後に溶け合う部分が聴きどころです。ささやくような弱音の美しさに注目したいです。
この音源について(収録エピソード)
この全曲録音は1968年3月、ベルリンのイエス・キリスト教会で行われました。ベームは伯爵夫人にヤノヴィッツ、スザンナにマティス、伯爵にフィッシャー=ディースカウ、フィガロにプライを揃えました。DGは2023年にオリジナルのアナログ・テープから24bit/96kHzでリマスターし、3CDとブルーレイ・オーディオ、未公開のセッション写真入りブックレットを付けたデラックス盤を発売しました。ベームは録音当時73歳でした。
音源の投稿元(Edith Mathis - Topic)はoEmbedで確認済みです。「未確認」は出典で確認できなかった項目です。
録音
実在と年を出典で確認できたもののみ掲載しています。
- カール・ベーム指揮 ドイツ・オペラ・ベルリン(ギュンドゥラ・ヤノヴィッツ、エディット・マティス)(1968)
DG録音です。1968年3月、ベルリンのイエス・キリスト教会で録音されました。
映画・ドラマ・アニメ
- ショーシャンクの空に(1994)
主人公アンディが刑務所の拡声器でこのレコードを流し、受刑者たちが立ち止まって聴く場面です。
CM
確認できた出典はありません。
教科書・鑑賞教材
教科書・鑑賞教材での掲載を示す出典は確認できませんでした。
関連作品
- フィガロの結婚 序曲
- 恋とはどんなものかしら
- もう飛ぶまいぞこの蝶々
- 『ドン・ジョヴァンニ』
- 『コジ・ファン・トゥッテ』
同じ作曲者の曲
ピアノ・ソナタ第11番 イ長調 K.331 第1楽章(主題と6つの変奏) / ピアノ・ソナタ第8番 イ短調 K.310 第2楽章 アンダンテ・カンタービレ・コン・エスプレッシオーネ / アイネ・クライネ・ナハトムジーク K.525 第1楽章 / 歌劇「魔笛」より 夜の女王のアリア「復讐の心は地獄のように我が胸に燃え」 / アヴェ・ヴェルム・コルプス K.618
トリビア
- 『ショーシャンクの空に』では、レッドが「あの2人のイタリア人女性が何を歌っていたか今も知らない。知りたくもない」と語ります。
- 同作で、アンディはこの放送のため独房に入れられます。
- 同作の出演者はほぼ男性で、女声二重唱の登場が場面の印象を際立たせていると OperaWire は指摘しています。