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歌劇「ラクメ」より 花の二重唱
オペラ『ラクメ』第1幕、ラクメと侍女マリカが川辺で花を摘みに向かう場面の二重唱です。英国航空のCMでも知られています。
作曲の経緯
『ラクメ』は、ドリーブが1881年から82年にかけて書いた全3幕のオペラで、台本はゴンディネとジルです。テオドール・パヴィの短編とピエール・ロティの小説に基づき、19世紀半ばの英領インドを舞台にしています。ゴンディネは、アメリカ出身のソプラノ、マリー・ヴァン・ザントのための作品として提案したとされます。花の二重唱は第1幕、ブラフマンの司祭の娘ラクメと侍女マリカが、花を摘みに川辺へ向かう場面で歌われます。二人はジャスミンの茂みや川の流れを描きながら、朝の情景を歌います。途中、ラクメは父の身を案じる不安をのぞかせ、そのあと青い蓮を摘みに行こうと再び明るい主題に戻ります。1883年4月14日にパリのオペラ=コミック座で初演され、異国趣味を好む当時の聴衆に迎えられました。
出版・初演
オペラ全曲は1883年4月14日、パリのオペラ=コミック座(第2サル・ファヴァール)で初演されました。指揮はジュール・ダンベです。
題名・通称の由来
冒頭句「Dôme épais le jasmin」(茂るジャスミンの天蓋)に由来し、英語圏では『Flower Duet』と呼ばれます。なお題名の「ラクメ」は、サンスクリットの女神ラクシュミーのフランス語形とされます。
構成分析
- 導入の対話 ラクメがマリカを誘い、マリカが主人の心を読みたいと応じます。
- 主部「Dôme épais le jasmin」 二人が三度の歌い交わしで、川辺の花々と舟遊びを描きます。
- 中間部(ト長調) ラクメが父への不安を語り、マリカが神の加護を願って蓮を摘みに行こうと誘います。
- 主部の再現 冒頭の旋律に戻り、二声が寄り添って終わります。
音楽的特徴
ソプラノとメゾソプラノが三度・六度で重なります。6/8拍子の舟歌風のゆれる動きが、川面の揺れを思わせます。
演奏のポイント
高声と低声が溶け合う並行進行と、冒頭主題の再現の美しさが聴きどころです。中間部の短い転調で見せる影の表情にも注目したいです。
この音源について(収録エピソード)
この録音は1967年にサザーランドとボニングらがモンテカルロで行いました。マリカ役はジェーン・ベルビエ、ジェラール役はアラン・ヴァンゾ、ニラカンタ役はガブリエル・バキエです。ハイライト盤のレビューは、この録音のサザーランドを、母音を滑らかにつなぐ歌い口が目立つ時期のものと評し、花の二重唱でのボニングのテンポは粘りがあると指摘しています。
音源の投稿元(Joan Sutherland - Topic)はoEmbedで確認済みです。「未確認」は出典で確認できなかった項目です。
録音
実在と年を出典で確認できたもののみ掲載しています。
- ジョーン・サザーランド、ジェーン・ベルビエ、リチャード・ボニング指揮 モンテカルロ歌劇場管弦楽団(1967)
Decca。全曲盤とハイライト盤があります。 - ナタリー・デセイ、ミシェル・プラッソン指揮 トゥールーズ・キャピトル管弦楽団(1998)
EMIです(Wikipedia記載の全曲盤)。 - サビーヌ・ドゥヴィエイユ、マリアンヌ・クレバッサ、フランソワ=グザヴィエ・ロト指揮 レ・シエクル(未確認)
Wikipedia に動画(スタジオ録音)へのリンクがあります。
映画・ドラマ・アニメ
- The Hunger(ハンガー)(1983)
使用された作品としてWikipediaに記載されています。場面は未確認です。
CM
- 英国航空(British Airways)
1989年の「Face」広告で、この二重唱をもとにしたヤニーとマルコム・マクラーレンの編曲「Aria」が使われたとされます。のちも同社の広告や機内の搭乗音楽に用いられます。
教科書・鑑賞教材
教科書・鑑賞教材での掲載を示す出典は確認できませんでした。
関連作品
- 鐘の歌(ラクメ第2幕)
- ヤニー/マルコム・マクラーレン「Aria」
- オッフェンバック『ホフマン物語』の舟歌
- ビゼー『真珠採り』
トリビア
- 題名のラクメは、ヒンドゥーの女神ラクシュミーのフランス語形です。
- 『ラクメ』はオペラ=コミック座で1909年に500回、1931年に1000回上演に達しました。
- この二重唱は『セックス・アンド・ザ・シティ』『ザ・シンプソンズ』などのテレビ番組でも使われたとされます(Wikipedia記載)。