PRODUCTION STORIES
マイクを渡す。レコードの輪を広げる。
The Game、Contact、Lausd、Canto De Ossanha。声のチームワークと、ふたりのDJの仕事を、曲ごとのクレジットから聴く。
Jurassic 5の入口をひとつ選ぶなら、ここではThe Gameから。声が何人分あるかを数えるより、次の声にどんな場所を空けるかを聴いてみたい。ひとりずつの輪郭と、全員で作る輪郭。その両方が気になってくる。
LOS ANGELES / 声が集まる場所
グループの核は、Unity CommitteeとRebels of Rhythm、そしてDJ Nu-Markの合流。2015年のメンバー取材は、Rat Raceでの出会いとGood Lifeの交流をたどる。MCはChali 2na、Marc 7、Akil、Soup。Cut ChemistとDJ Nu-Markを合わせると6人。「5」という名前だけでは収まらない。
出典:Jurassic 5 — 公式サイト / Brian Coleman — Quality Control復刻盤ライナーノーツ / メンバー取材(2015)
THE GAME / パスを受け取る
The GameはCut Chemist制作、DJ Nu-Mark共同制作。Shawny MacとMarvskiも声で参加する。マイクをボールのように渡す発想が、曲の組み立てにつながっている。
ここで聴きたいのは交代の瞬間だ。誰かが前へ出れば、誰かが次の入口を作る。腕前を並べるだけでは生まれない、グループならではの気持ちよさを探してみる。
出典:Brian Coleman — Quality Control復刻盤ライナーノーツ / メンバー取材(2015) / Jurassic 5 — The Game(指定・PIAS公式配信)
QUALITY CONTROL / 曲と曲の間まで
2000年の『Quality Control』から、表題曲 → Contact → Lausdへ。アルバムの並びを小さく抜き出して聴く入口だ。短い「Contact」にも、ひとつの曲として耳を向けたい。
「Lausd」はCut Chemist制作。題名にはLos Angeles Unified School Districtと「Lost」が重なる。People Under the Stairsの「The L.A. Song」とは別の一曲として、ここに置いておく。
出典:Brian Coleman — Quality Control復刻盤ライナーノーツ / メンバー取材(2015) / Apple Music — Quality Control(2000)
JAYOU / 二つの入口
Jayouから、Jayou (Remix)へ。ここで聴けるのは、J5 / Mass Appealの2008年配信版に収められた二つのテイク。通常版は1997年のEPまでさかのぼる。リミックスの2008年表記は、この収録版の年だ。
通常版からリミックスへ、続けて聴く順番にした。タイトルが同じだからこそ、曲の置き方や展開の違いに耳を向けやすい。選曲の中でどちらを先に置くかを考えるのも楽しい。
出典:Jurassic 5 — Jayou(指定・Symphonic公式配信) / Jurassic 5 — Jayou (Remix)(指定・Symphonic公式配信)
CANTO DE OSSANHA / 次の棚へ
Canto De Ossanhaは2006年の『Feedback』へ進む出口。制作はDJ Nu-Mark、作曲クレジットにはBaden PowellとVinicius de Moraesの名がある。グループの曲を一律にCut Chemist制作とは扱わない。
最後にここへ着く順番にしてみた。MCの声を追っていた耳が、作り手と作曲家の名前にも向く。気に入った曲から、もう一枚。そのくらいの身軽さで、レコードの棚は広がっていく。
出典:Jurassic 5 — Canto De Ossanha(指定・PIAS公式配信) / DJ Nu-Mark — 公式ディスコグラフィー
このページの聴き方
下の「LISTENING ROUTE」は、この特集の選曲順で再生する入口。Concrete SchoolyardやWhat’s Goldenを間に挟み、最後に「Canto De Ossanha」へ。年代順の掲載一覧は、その下に残した。順番を替えて聴くと、同じ曲から別の接点が見つかるかもしれない。
聴く順番と聴きどころはDJ Naoyamanの編集上の視点です。制作クレジットは曲ごとの資料を参照。指定4曲はPIASの公式Topic配信で、本人の直接投稿とは区別しています。 Jayouの2版はSymphonicの公式配信です。
