Without a Doubt

1998
地域 / シーン:Los Angeles
「Jayou」の裏面、大学ラジオ、バスケットボール・ゲームをつなぐJurassic 5の初期曲。
B面から広がった、六人の共同体
「Without a Doubt」は、Jurassic 5の初期レパートリーをアルバムと12インチの両側からつなぐ曲だ。1998年の『Jurassic 5』に入る一方、米国の「Jayou」シングルではB面の主役となり、Radio、Bonus Beat、TV Trackの三つの表記で並ぶ。一曲を完成品として聴くだけでなく、ラジオやDJの現場へ渡す形でも届ける。あの時代のシングルは、楽曲の名刺であると同時に、次の使い手に開かれた道具でもあった。
この盤が実際にどんな場所へ届いていたかは、スタンフォード大学のラジオ局KZSUが残した1998年9月6日週のチャートから見える。「Jayou / Without a Doubt」はヒップホップ部門20位で、同じ欄にはShow & A.G.、Black Eyed Peas、Gang Starrらの12インチが並んでいる。後世の「クラシック」という括りよりも具体的に、当時の新しいレコードが一緒に選ばれていた棚の風景を伝える記録だ。
Jurassic 5には、レコードを作ることと人に届けることを切り離さない背景があった。Soupは結成前からレーベルで大学向けのプロモーションを経験し、後年の聞き取りではそのつながりをJ5のカレッジ・ラジオ展開にも生かしたと語っている。KZSUの順位を彼個人の働きの結果と断定はできないが、四人のMCと二人のDJという編成の背後に、自分たちの音楽の居場所を自分たちで作る仕事があったことは見逃せない。
深掘り記事あり · サンプル資料 0 件
Good Lifeだけではない、Rat Raceという合流点
Nu-Markが本人のインタビューで挙げる出会いの場所は、ロサンゼルスのRat Race。生バンドに合わせてMCがフリースタイルする夜で、彼はレジデントDJだった。そこへUnity CommitteeのCut Chemist、Chali 2na、Marc 7が現れる。AkilとSoupのRebels of RhythmはすでにGood Lifeで彼らと知り合っており、Nu-MarkはJ5を「二つのグループと自分」という成り立ちで説明する。 この来歴を踏まえると、四人のラッパーと二人のDJは、あとから人数を増やした編成ではなく、別々の現場で身につけた技術を持ち寄った関係だとわかる。Nu-Markが当時のLAを振り返る際にも、語彙や技量だけでなく、選曲、レコード掘り、そして良いショーを作るクルーの総合力を挙げる。初期曲をたどる楽しみは、一人の主役を探すこと以上に、その共同作業の輪郭を知ることにある。
大学ラジオの12インチから、画面の中のバスケットボールへ
1998年のKZSUに残るのは「Jayou」と組になった盤の名前だが、2007年の2K Sports公式発表では「Without A Doubt」が単独で選ばれている。『College Hoops 2K8』のリストにはDilated Peoples、Deltron 3030、J DillaとMF DOOMの曲に加え、Hot ChipやThe Kooksも並ぶ。J5の初期曲は、年代やジャンルが異なる音楽と同じゲームの中に置かれることになった。 2Kは選曲の意図を、大学バスケットボールのプレイヤーが持つ幅広い音楽の好みに応えるものと説明している。ここでの再登場は単なる再発とは違い、レコード店やヒップホップ番組とは別の入口を作るものだった。B面を返して出会う人も、ゲームを遊んで曲名を調べる人もいる。その二つの経路を並べると、この曲の寿命を「1998年の作品」という一行だけでは測れなくなる。
制作背景
12インチと当時の放送記録
米国Pickininny盤では「Jayou」がA面、「Without a Doubt」がB面。KZSUの1998年9月6日週ヒップホップ・チャートに、この組み合わせの12インチが20位で掲載されている。
ゲームで再び届いた初期曲
2K Sportsは2007年11月1日、『College Hoops 2K8』のサウンドトラックにJurassic 5「Without A Doubt」を収録すると発表した。
サンプル元
公式音源の公開情報で曲名と投稿者を確認しています。サイト内での実再生は未確認です。
サンプル元は未確認。未掲載はサンプル不使用を意味しない。
出典
2K Sports — 『College Hoops 2K8』収録曲発表
Tucker-Bloom — DJ Nu-Mark本人へのインタビュー