DJ Naoyaman
宮崎直哉

音楽を掘る。記憶を編む。
宮崎直哉です。音楽、縄文時代、妖怪、鎌倉、サウナ、地域文化。気になったものを調べ、記録し、自分なりの視点で編み直しています。音楽に向き合うときは、DJ Naoyaman、あるいはNoblemanと名乗っています。
好きな言葉は「MIXWELL」。よく混ぜること。DJも、スパイス料理も、会計学も、マーケティングミックスも、メディアミックスも。異なるものを組み合わせ、そこに新しい味わいや意味を見つけることに惹かれます。
DJやプロデューサーにも、どこか自分と通じる手つきの人に惹かれます。音を掘り出し、断片を拾い、組み合わせて別の景色を作る。なかでも、DJ Shadow、J Dilla、Madlibの3人が特に好きです。
本業は、ブランディングやマーケティング。得意なのは「かく」ことです。文章を書く、絵を描く、レコードを掻く。最後のひとつは、スクラッチのことです。
日頃から、とにかくよくメモを取ります。たまった言葉や記録を読み返し、つなぎ合わせ、何かの形にする。そうして好奇心を満たしながら、自分の感覚も少しずつ磨いています。
はじまりは、足立区の15歳
DJを始めたのは、15歳のときです。
育ったのは、東京都足立区。友人の兄がRAMP EYEのGAMMAだったこともあり、ヒップホップは身近にありました。親友がDJを始めたことに強く心を動かされ、叔父からターンテーブルを譲り受けたところから、私のDJ人生が始まります。
高校時代からクラブでレコードを回し、大学時代にはプロダクションに所属。レギュラーイベントを持ち、選曲だけでなく、フライヤーのデザインにも携わるようになりました。トラックを作り、DJミックスを発表する。音を鳴らすことと、その音が届く場所を作ることは、いつも隣り合っていました。
レンタルビデオショップや音楽媒体で、音楽評を書いていた時期もあります。
大学を卒業してからも、その手を止めることなく、むしろ活動の幅は広がってきました。仕事や暮らしが変わっても、ターンテーブルの前に立ち、音楽を聴き続けています。
作ることへのこだわり
高校時代まではスポーツ中心の生活で、芸事ではピアノ、書道、水墨画に親しんでいました。
芸術への関心と憧れが募り、やがて東京藝術大学美術学部絵画科を目指すようになります。学科の模試では、全国順位が二桁台に入るほどの成績を収めていましたが、どうしても越えられなかったのが、デッサンの壁でした。
別の大学に進学したあとも、その思いは消えず、一度は中退して再挑戦しました。それでもデッサンの壁は厚く、再び別の大学へ進むことになります。
思い描いた進路とは違いましたが、作りたいという気持ちは残りました。大学時代からデザインや表現を専門的に学び、今も、手を動かしながら学び続けています。
気になったものを調べ、試し、形にする。その繰り返しが、今の私を作っています。

約5万曲のクレートから
DJ歴は32年です。育ててきたクレートは、約5万曲になりました。Hip Hopに限らず、ワールドミュージックからクラシックまで。ジャンルの境目よりも、その音に心が動くかどうかを頼りに、少しずつ増えていったコレクションです。
CRATE DIGGIN’では、自分に強烈な影響を与えた90年代のHip Hopを中心に、これまで聴いてきたHip Hopをクレートの形で振り返っています。曲からプロデューサーへ、ビートからサンプルへ、レコードから街や時代へ。一曲を入口に、その周りにある文化や記憶までたどっていきたいです。
編集のしかた
事実と解釈は、できるだけ分けます。わからないものは、わからないまま残します。
制作年やクレジット、サンプリングの情報には出典を添えます。一方で、どこに惹かれたのか、なぜ今も聴いているのかは、自分の言葉で書きます。資料で確かめられることと、耳に残ったもの。その両方を置いておける場所にしたいと思っています。
名義と、掘っているもの
- DJ Naoyaman:音楽を編集します。CRATE DIGGIN’、SUBURBIA CLASSICA、note、MY STEEZ。
- 一見坊:妖怪を編集します。各地の伝承を、出典とともに記録します。
- クランポック:鎌倉を編集します。社寺や古道を、実際に歩くためのコースに編みます。
- 湯気文吾:サウナを記録します。全国で出会った湯気と、その土地を残します。
- 犬井静:小説を書きます。「ブッダを語る犬」など。
- 宮崎直哉:花鳥風月、そして魚と虫では、魚・虫・鳥・植物にまつわる漢字をクイズ図鑑に編集しています。
湯気文吾名義で、炭酸泉と水風呂を交互に楽しむ「酸冷交代浴」についても、#酸冷交代浴のススメにまとめています。体験と文献を分けて整理しながら、お湯の楽しみ方を探っています。
「患者の会代表」というペンネームで制作している掌蹠膿疱症.comも、個人の記録と公開資料をもとに整理した制作物の一つです。扱う対象は違っても、調べて、編んで、人に届く形にするというやり方は変わりません。
制作しているWebサイト
- 掌蹠膿疱症.com:個人の体験と公開資料をもとに、掌蹠膿疱症の症状や治療の選択肢を整理する情報サイトです。
- 一見坊の【日本妖怪学体系】:日本各地の妖怪と伝承を、出典・信頼度・地域のつながりから読み解く妖怪図鑑です。
- 花鳥風月、そして魚と虫。:魚・虫・鳥・植物にまつわる漢字を、大きな文字と読み方クイズで楽しむ図鑑です。
- 鎌・くらんぽ:鎌倉の社寺と歴史を、出発点から解散点までの散歩コースで案内する街歩きガイドです。
- my Chems:The Chemical Brothersの作品・人物・歴史を、出典つきの記録と私見でたどる日英の非公式アーカイブです。
- SUBURBIA CLASSICA:クラシックの名曲を、制作背景・構成・録音エピソードとともに聴く音楽ガイドです。
- 酸冷交代浴のススメ:炭酸泉と水風呂の楽しみ方を、体験・施設情報・文献から編集する入浴ガイドです。
- gooooooooood* expression:Webの動き・文字・音・インタラクションを、実例と解説から学び、試せる表現図鑑です。
- Book Keeping:日商簿記・全経簿記・USCPAの仕訳や計算を反復演習し、学習記録と復習につなげる学習サイトです。
ブランドと地域の仕事
本業は、ブランドの上流にあたるマーケティングとブランディングです。アパレル、エンターテインメント、EC、飲料、ウェルネス、ヘルスケアなど、さまざまな領域のブランドづくりに携わってきました。
フライング・ブレインでは、アパレル・ウェルネスを中心に50以上のブランドの上流マーケティングとブランディングを担当しています。紫波金魚の代表を務め、2024年からは岩手県紫波町のあづまねエリアでブランディングプロデューサーとして活動しています。地方活性化のプロジェクトには、複数の自治体を横断して関わっています。
これまでの経歴
- みずほ情報総研株式会社:ロンドン・ニューヨーク向け大規模決済処理システムの構築、ビジネスコンサルタント。
- 株式会社サイバーエージェント:インターネット広告代理事業部でマネジメントとコンサルティングに携わり、インターネット広告のルールづくりに取り組みます。
- 株式会社リッツ・インターナショナル:取締役。美容サービス事業およびクリニック経営を担当。
- 株式会社フライング・ブレイン:代表取締役。上流マーケティング、ブランディング。
- 紫波金魚:代表。
- あづまねエリアブランディングプロデューサー:岩手県紫波郡紫波町、2024年〜。
学歴
足立区立梅島小学校、足立区立第四中学校、明治学院高校を卒業しました。青山学院大学文学部教育学科を中退後、明治大学商学部商学科を卒業しました。
講演
東京工科大学、関東学院大学、神奈川大学、和光大学、専修大学、紫波町、五島市、砥部市、ほか。
レコードの外側にも、音楽は続く
noteでは、音楽や日々のことを書いています。Artists inside the DJ bagは、DJ ShadowやJ Dillaなど、一人のアーティストを連話で掘り下げていくシリーズです。
レコードを選ぶことも、文章を書くことも、土地を歩くことも。気になったものの前で立ち止まり、その先をもう少し見てみます。その積み重ねが、今の自分のクレートになっています。