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ワルツ第9番 変イ長調 Op.69-1『別れのワルツ』
1835年、マリア・ヴォジンスカとの別れに際して書かれたとされるワルツです。ショパンの死後、友人フォンタナが出版しました。
作曲の経緯
1835年9月、ドレスデンでマリア・ヴォジンスカに贈るために書かれたとされるワルツです。ショパンはマリアと婚約したと言われるが、詳しい経緯には異説もあります。彼女に贈られた自筆譜の表紙には『マリー嬢へ』と記されていました。この自筆譜は現在失われているとする資料があるが(ワルシャワの国立図書館が所蔵するという記述もあり、確認が取れていない)、ほかにも、1837年にエリザ・ペルッツィ、1842年にシャルロット・ド・ロスチャイルドに宛てた別の自筆譜が残ります。作曲者の生前には出版されず、1855年、友人ユリアン・フォンタナが遺作として世に出しました。
出版・初演
1855年、ユリアン・フォンタナによって死後出版されました(Op.69として2曲)。
題名・通称の由来
『別れのワルツ(Farewell Waltz / Valse de l'adieu)』の呼称は、ショパン本人の命名ではありません。1835年にマリア・ヴォジンスカとの別れの際に贈られた曲とされることに由来します。出版は死後1855年にフォンタナが行い、Op.69は本人が付けた作品番号ではなく、遺作として後から与えられたものです。
構成分析
- 主題1 con espressione。憂いを帯びた懐かしい旋律で、小さな装飾音の上昇で一つの山を作ります。
- 主題2 sempre delicatissimo。主題1よりやや明るく、すぐに第1主題に戻ります。
- 主題3 dolce。最も軽やかで遊び心のある旋律です。
- 主題4 二重音が段階的に上がっていく部分(poco a poco crescendo)で、3の主題に戻って、冒頭へ戻ります(ダ・カーポ)。
音楽的特徴
冒頭の主題は、3拍子の流れの中で寂しさとなつかしさが交ざり合い、聴き手を一気に引き込みます。中間の主題は軽やかで、陰りの合間に笑顔がのぞくような対比があります。ワルツの形を借りながら、踊るためというより、手紙のように個人的な感情を込めた作品です。ショパンの死後に広まったこともあり、物語性のある呼称とともに愛されています。
演奏のポイント
冒頭は自然な3拍子の呼吸を保ち、感傷に流れすぎないことです。第3主題以降は軽く、二重音の上昇部分は音量を作りすぎず歌わせます。ダ・カーポで戻る冒頭は、最初より一段落ち着いた音色にします。
この音源について(収録エピソード)
別れのワルツを含むこのアルバムは、1963年にローマのRCAイタリアーナ・スタジオAで録音されました。資料には6月25日のセッションと記されています。プロデューサー兼エンジニアはマックス・ウィルコックスです。収録曲は作品18、34、42、64、69、70のワルツで、ショパンの生前に出版された曲を中心とした14曲にまとめられています。1964年にLSC-2726として発売されたこのステレオ盤は、現在も基準録音として挙げられます。
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録音
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映画・ドラマ・アニメ
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CM
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教科書・鑑賞教材
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関連作品
- ワルツ第10番 ロ短調 Op.69-2
- ワルツ集 Op.64
- マリア・ヴォジンスカとの婚約
- ワルツ第6番『小犬』
同じ作曲者の曲
ノクターン第20番 嬰ハ短調 遺作(レント・コン・グラン・エスプレッシオーネ) / 前奏曲第7番 イ長調 Op.28-7 / ワルツ第7番 嬰ハ短調 Op.64-2
トリビア
- ペルッツィ宛(1837)とロスチャイルド宛(1842)に、別バージョンの自筆譜が残っています。
- フォンタナの死後出版版は、確認できる自筆譜に基づくものではないとされます。
- Op.69の2曲は1829年(第2番)と1835年(第1番)の作で、いずれも1855年に出版されました。