SUBURBIA CLASSICA › Songs › 管弦楽・室内楽
ビゼー「アルルの女」第2組曲より ファランドール
ビゼー「アルルの女」第2組曲の終曲です。プロヴァンスの行進曲と舞曲の旋律が重なり、タンブランが響く熱狂的なクライマックスへ駆け上がります。行進曲と舞曲を一度に楽しめるところにも、ビゼーの音楽の面白さを感じます。
作曲の経緯
「アルルの女」はアルフォンス・ドーデの戯曲のための付随音楽で、1872年9月30日にパリのヴォードヴィル座で初演されました。ビゼーは合唱24人と26人ほどの小編成の楽団のために27曲を書いたが、初演は不評で19回で打ち切られました。その後、ビゼー自身が管弦楽用の第1組曲を作り、彼の死後の1879年に出版社ショードンが第2組曲を依頼し、友人ギローが編曲・構成しました。第2組曲は、パストラール、間奏曲、メヌエット(歌劇「美しきパースの娘」の音楽)、ファランドールの4曲で、ファランドールは付随音楽の第22曲フィナーレと第23曲間奏曲・合唱を凝縮したものとされます。プロヴァンスの太鼓タンブランとフルート・ピッコロを用いた旋律に、行進曲「王たちの行進(3人の王の行列)」が重なります。
出版・初演
付随音楽: 1872年9月30日初演されました(ヴォードヴィル座)。第2組曲: 1879年、ショードン社が委嘱しました(編曲者名は楽譜に記載がありません)。
題名・通称の由来
ファランドールはプロヴァンス地方の舞曲の名です。旋律「Danso dei Chivau-Frus(馬の踊り)」に由来します。
構成分析
- 第22曲Final(劇音楽) 『馬の踊り』の旋律を含みます。第2組曲ではファランドールの一部になります。
- 第23曲Entr'acte and Chorus 合唱が管弦楽に置き換えられファランドールに編入されています。
- ファランドール 短調の『3人の王の行列』と長調の『馬の踊り』が組み合わされ、クライマックスへ進みます。
音楽的特徴
プロヴァンス民謡の二つの旋律を対位的に重ね、フルート・ピッコロ・タンブランで舞曲の色彩を出し、大きな盛り上がりで曲を終えます。
演奏のポイント
タンブランの扱い(楽譜にはプロヴァンス式の大型タンブランを指定)と、二つの主題が重なる箇所の明瞭な処理が聴きどころです。
この音源について(収録エピソード)
グラモフォン誌のレビューによれば、デュトワ指揮モントリオール響の「アルルの女」「カルメン」組曲は、プロデューサーのレイ・ミンシャル率いるDecca録音チームが、実績あるモントリオールのサン・ウスタシュ教会で収録しました。第2組曲ではフルートのティモシー・ハッチンスの滑らかな音が称賛され、録音は鮮やかで空間も豊かです。ただしファランドールでは大太鼓などの打楽器が響き過ぎるとの指摘もありました。マリナー(Philips)やオザワ(EMI)の盤より推薦されています。
音源の投稿元(Orchestre symphonique de Montréal - Topic)はoEmbedで確認済みです。「未確認」は出典で確認できなかった項目です。
録音
実在と年を出典で確認できたもののみ掲載しています。
- シャルル・デュトワ、モントリオール交響楽団(1986頃(未確認))
Decca。グラモフォン誌が高く評価しています。 - シャルル・ミュンシュ、ニュー・フィルハーモニア管弦楽団(1967)
Deccaです(英語版Wikipediaの録音表より)。 - ジョージ・セル、クリーヴランド管弦楽団(1966)
Columbiaです(同上)。
映画・ドラマ・アニメ
確認できた出典はありません。
CM
確認できた出典はありません。
教科書・鑑賞教材
教科書・鑑賞教材での掲載を示す出典は確認できませんでした。
関連作品
- ビゼー「アルルの女」第1組曲
- ビゼー 歌劇「美しきパースの娘」
- ビゼー 歌劇「カルメン」
- ドーデ「アルルの女」
同じ作曲者の曲
歌劇「カルメン」前奏曲(第1幕への前奏曲) / 歌劇「カルメン」より ハバネラ(恋は野の鳥) / 歌劇「カルメン」より 闘牛士の歌(諸君の乾杯を受けよう)
トリビア
- ギローは第2組曲のため、のちに『神の子羊(Agnus Dei)』としても歌われる間奏曲を再利用しました。
- 第2組曲のメヌエットは、ビゼーの歌劇「美しきパースの娘」の音楽から転用されたものです。
- ファランドールのテーマは、ミヒマルGTの「Theme of mihimaLIVE 2」にも使われています(英語版Wikipediaの記述)。