歌詞を置いてきた声が、パリの裏通りを駆ける。
ピーター・ビーソンという名前の奥にいるのは、ジャンピング・ジャックスを率いたジャック・エンドリックス。「Walle-Street」は、声そのものを主役にした『Holiday for Voices』の一曲だ。
- 発売年
- 未確定
- 国・活動圏
- フランス
- 参照盤の発売国
- フランス
- ジャンルの手がかり
- ヴォーカル・ジャズ / ライブラリー・ミュージック
- 参照したレコード
- Holiday for Voices(Sound Ways)
- 制作・録音年
- 未確認
原盤の発売年を特定できないため未記載。2014年の配信日を原盤年に代入していない。
もうひとつの名前で作った声の休日
オリジナルLPはフランスの小規模なライブラリー、Sound Waysから発売された。デシネ・ショップの現物紹介ではB面4曲目に「Walle-Street」を確認できる。同店によれば、L’arome Productionsが再発を検討して権利を調べた過程で、Peter BeassonがJacques Hendrixの別名だと判明したという。珍しい盤の発見が、名前の照合を経てジャンピング・ジャックスの別の扉につながった。盤を掘る面白さが凝縮された経緯である。 [1]
ウォール街、それとも歌手の名前?
フランスのスタジオ歌手を取材する研究者レミ・カレメルは、このプロジェクトでフランソワーズ・ワルの声を挙げ、「Walle-Street」と「Les Wallett’s」を彼女への目配せとして説明している。街の名前に見える題名にも、実際に歌う人の姓が潜んでいるわけだ。匿名性の高いライブラリー音楽を、顔のある音楽として捉え直す手掛かりになる。 [2]
旋律より先に、音節を追う
この曲を店は疾走するスキャット・ジャズとして紹介している。まず歌の意味を探す代わりに、短い音節がどこで弾み、どこでひと続きの線になるかに耳を向けたい。人声を管楽器のように扱う発想はジャンピング・ジャックスと共通するが、同じ名義を使わなかったことで作品の居場所まで変わって見える。同LPの「Choro Belingo」と並べれば、同じ声の設計がブラジル的な陰影と俊敏なジャズを行き来する面白さも見えてくる。 [1] [2]
聴き方の提案は、この曲を楽しむための鑑賞ガイドです。
関連曲を、棚の中から。
出典と資料メモ
年は確認できた最も早い発売年を採用。活動国と盤の発売国、再発年は分けて記録しています。
- dessinee shop:オリジナルLP ↗
現物の国・レーベル・曲順、変名と再発調査の経緯。年は1970年代まで。
- Dans l’ombre des studios:Jumping Jacques研究 ↗
歌手・家族の取材とアーカイブに基づく研究。Peter BeassonとFrançoise Walleを参照。
資料確認日 2026-10-26 · 解説は確認資料の範囲で更新します。