Sky's The Limit

1997
地域 / シーン:New York
The Notorious B.I.G. feat. 112
Clark Kentが語る、「Sky’s The Limit」がスタジオを行き来した工程。
ビートが出ていき、歌を連れて戻ってくる。
Drink ChampsでClark Kentは、録音の全工程に立ち会ったわけではないと説明している。自分が録ったビートはPuffのスタジオへ渡り、ヴォーカルを伴って戻ったあと、112を加えるため再び送り出された。最後はKentのいるスタジオへ戻り、彼がミックスしたという。完成した共演の裏にある、録音を受け渡す順番が見えてくる。
Clark Kentの回想によれば、このビートは最初からBiggieのソロ曲として用意されたわけではなかった。2017年のDrink Champsで彼は、Junior M.A.F.I.A.用の曲を選んでいたBiggieが、このトラックだけは自分のために欲しがったと話している。仲間のアルバムを組み立てる耳と、自身の次作を見据える耳が交わったところから「Sky’s The Limit」は始まった。
同じ回想でKentは、当初Biggie自身がフックを歌い、その後112が加わったと説明する。完成形の甘いコーラスを、単なる外付けのR&B要素と考えるだけでは制作過程を取りこぼす。Biggieが先に持っていた曲の輪郭を、別の声へ渡していく工程もあった。これはKentの後年の証言として読むべき話で、未発表の初期版をここで試聴したという意味ではない。
公式音源の紹介は、Bobby Caldwellの「My Flame」を使い、貧困から成功へ至るBiggie自身の経験を語る曲と位置づけている。その背景を踏まえるなら、聴く焦点は「成功」を祝うフックだけでなく、そこへ至る具体的な時間を語るヴァースとの距離にある。歌が掲げる希望と、ラップが積み重ねる来歴を行き来することで、この曲を単純な上昇志向の標語以上のものとして捉えられる。
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制作背景
収録作品と制作
112を迎えた『Life After Death』収録曲。公式紹介でも、貧困から成功へと向かう自身の経験を語る曲として説明され、Bobby Caldwellの『My Flame』を用いたことが示されている。歌のフックとBiggieの語りを組み合わせたヒップホップ作品として聴きたい。
制作担当
Clark Kentがプロデューサーとして記載される。
サンプル元
作品情報と曲別クレジットは出典をご覧ください。未確認のサンプル情報があり、聴き方は編者の考察です。
Bobby Caldwell「My Flame」は公式チャンネル説明で確認。その他の引用関係は調査中。
出典
Sky’s the Limit — Shazam配信クレジット