Everafter

2003
地域 / シーン:The Grouch & Eligh / Independent Hip Hop
Cobaltの同時代評は、二人の勢いの受け渡しを、歌詞の「前へ進む姿勢」と重ねている。
Elighの加速を、Grouchが受け取る
「Everafter」は、The Grouch & Elighが2003年に発表した『No More Greener Grasses』の3曲目。原盤CDにはLegendary MusicとRED Distributionの名があり、二人の連名はLiving Legendsの自主制作が店頭へ広がっていた時期に重なる。
発売直後のHip Hop Core評でCobaltが特に取り上げたのは、静かな導入からElighが勢いを上げ、続くThe Grouchもフロウの強度を高めていく展開だった。物憂いベースと浮遊する鍵盤に対して、声は前へ進む。その対比を手掛かりに、速さそのものより、二人がどこで推進力を受け渡すのかを追ってみたい。
Cobaltの評が結び付けているのは、速いフロウと、それに映る二人の闘う姿勢だ。技巧の速さだけを褒めた評ではない。ElighからThe Grouchへ強度が受け渡される展開を、歌詞の意志が表れる場面として読んでいる。これは2003年の批評家の解釈であり、録音時に二人が相談した設計図としては扱わない。
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同じG&Eでも、曲の生まれ方は違う
2008年のインタビューでThe Grouchは、ビートを大量に作り置きするのは自分ではなくElighだと話している。自分は頻繁には作らず、気に入ったビートができると、その場で歌詞を書き始めずにはいられない。アルバムを組む時には、手元の曲が暗く遅いなら、速く攻撃的な曲を加えるという具合に全体の釣り合いを考えるという。 これは「Everafter」の録音手順を語った証言ではなく、後年に本人が説明した制作の習慣だ。ただ、二人を単にMCと伴奏担当へ分けないための手掛かりになる。G&Eという連名の内側には、音を蓄える人と、できた音からすぐ言葉へ向かう人の、異なる時間の使い方がある。
2003年、レコード店の棚を伝わった音
CMJの2003年11月24日号は『No More Greener Grasses』を小売店チャートの注目作として紹介している。総合Top 100では91位、AmoebaのBerkeley店で6位、San Francisco店で8位。RiversideのMad PlatterとColorado州Fort CollinsのFinest CDs and Tapesでは、ともに5位だった。 これは「Everafter」単曲のヒット順位ではなく、アルバムが動いていた場所の記録だ。原盤のLegendary Music / RED Distributionという表記と重ねると、自主制作を「少人数だけが知る音」と考える見方がほどける。地元Bay Areaの支持と、別の街の店頭がつながる。その流れの中で、この一曲も聴き手に届いていた。
参考資料:CMJ New Music Report — Retail / Points of Impact(2003年11月24日、33頁)
制作背景
原盤のレーベルと曲順
2003年CD裏面はLegendary Music、RED Distribution表記。Everafterは3曲目として収録される。
発売時に注目された一曲
2003年11月のHip Hop Core評でCobaltはEverafterをアルバムの注目曲に選び、ElighからThe Grouchへつながるフロウの高まりを評価した。
サンプル元
公式音源の公開情報で曲名と投稿者を確認しています。サイト内での実再生は未確認です。
サンプル元を裏付ける資料がないため、個別名は掲載していない。
出典
No More Greener Grasses CD裏面 — Legendary Music / RED Distribution
Hip Hop Core — Cobaltによる同時代評(2003年11月)
MonsterFresh — The Grouch本人インタビュー(2008)
CMJ New Music Report — Retail / Points of Impact(2003年11月24日、33頁)