Daaam! (Buckwild Remix)

1995
地域 / シーン:California
1995年の業界誌には、リミックスの採用局が具体的な名前で残っている。
Buckwild版が、ラジオへの道を開き直す
「Daaam!」のBuckwild Remixは、Tha Alkaholiksの曲を別の作り手の視点から組み直した版だ。E-Swiftによる原曲制作とBuckwildによるリミックスは、クレジットでも区別されている。1995年を示すシングルの配信カタログには4分38秒のRemixがあり、短いRadio EditやInstrumentalとは別に扱われている。
この版の意味は、後年の人気だけではなく当時の資料にも残る。1995年3月3日付『Hitmakers』の業界欄は、Buckwildのリミックスによって「Daaam!」が再び動き始めたと報じ、ラジオ局での採用にも触れている。リミックスは収集家向けの別テイクというだけでなく、一曲を新しい場所へ運ぶ実務的な役割も担っていた。
その前年、BuckwildはAhmadとの仕事中に受けた『Gavin』の取材で、東西の対立よりも相手と音楽的に通じ合えることを重視していた。これは本曲の制作経緯を説明した発言ではないが、西海岸のグループをニューヨークの作り手が手掛けることを、例外扱いしないための手掛かりになる。「Daaam!」の別版は、地域の境界より人とビートの接点から見ると面白い。
『Hitmakers』の報告は、RCAのKim Hughesから届いた情報として書かれている。WPGCとZ-90の早い採用に加え、KMELなどの動きも記す。ここで読めるのは、後世の名盤評価ではなく、発売当時にリミックスを放送へ届けようとしていた側の記録だ。宣伝担当者の報告と、独立した売上の検証は区別しておきたい。
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リミックスがラジオへの道を開き直す
1995年3月3日付『Hitmakers』の「Street Sheet」は、RCAの担当者からの報告として、Buckwild版が「Daaam!」に再び勢いを与えたと紹介する。2月22日時点でWPGCとZ-90が早くから採用したという記述もある。大きな売上の証明ではないが、リミックスが当時の宣伝と放送で具体的な役割を持っていたことを示す。 シングルにはフルのBuckwild Remixだけでなく、短いRadio EditとInstrumentalも用意された。一つの曲を長さや用途の異なる形で差し出すことは、別々の選曲の場へ入り直す機会にもなる。放送採用の記事を添えて眺めると、このリミックスは原曲の付属品ではなく、曲の寿命を延ばす新しい提案だったことが見えてくる。
東西を分けるより、相手と通じ合う
1994年10月の『Gavin』でBuckwildは、Ahmadのリミックス作業中に東西の競争について問われた。彼は出身地より考え方が重要だと答え、地域の対立や他人の型の模倣が独創性を損なうことを懸念している。同じ取材では、自分の主な影響源にジャズとソウルを挙げた。 この発言を「Daaam!」の依頼理由や録音風景に置き換えることはできない。けれど、翌年のBuckwild版を理解する背景にはなる。西海岸のラッパーと東海岸の制作者という分類だけで完結させず、違う相手にも自分の感覚を持ち込めるリミキサーの姿勢から、この組み合わせを捉え直せる。
参考資料:Gavin — Thembisa S. Mshaka「Buckwild Wit The Beats」(1994年10月7日)
制作背景
原曲とリミックスの分担
公式配信はProducer E-Swift、Re-Mixer Buckwildと記載。
三つのBuckwild版
Remix 4分38秒、Radio Edit 3分55秒、Instrumental 4分34秒を別収録。
サンプル元
公式音源の公開情報で曲名と投稿者を確認しています。サイト内での実再生は未確認です。
サンプル元を裏付ける資料がないため、個別名は掲載していない。
出典
Tha Alkaholiks: Buckwild Remix 公式配信
Hip-Hop Radio Archive: WKCR February 9, 1995
Slash Records: Daaam! Buckwild Remix US promo
Gavin — Thembisa S. Mshaka「Buckwild Wit The Beats」(1994年10月7日)