Green Power (Original Version)

2002
地域 / シーン:オックスナード
「Green Power」の別版へ続く、Serato以前の準備。
ミックスCDのために、まず白盤を切った。
「Green Power」は、曲名だけでは同じ音源にたどり着けない。ここで扱うのは、Stones Throwが「Original Version」と呼ぶ録音だ。レーベルは『Stones Throw Summer 2002』の曲が、後に『Yessir Whatever』へリマスターして収められたと説明している。『The Unseen』収録版へ置き換えず、2002年の白盤と2013年の再収録を結びつけて聴く。小さな括弧書きが、曲の通ってきた別の道を教えてくれる。
Quasimotoの出発点は、最初から広く売るための作品ではなかった。レーベルによれば、Madlibがオックスナードで自分と身近な仲間のために作ったビート・テープに、その声は現れたという。本人と分身が並ぶ設定を、変わった声の仕掛けだけに縮めるのはもったいない。私的な遊びが作品になる過程そのものが、この名義の背景にある。きれいな経歴へ整理される以前の音に向かう入口として、この一曲を置きたい。
2013年の『Yessir Whatever』は、およそ十二年間に作られた十二曲をまとめた作品で、廃盤や希少盤の曲と未発表曲が共存する。制作はMadlib、マスタリングはDave Cooley。ここで選んだ正規配信は、その編集盤の音源である。制作年の異なる断片が新しい順序で出会う編集を、単なる余り物の整理と決めつけないこと。録音が作られた時と、聴き手へ届き直す時を分けると、一曲の寿命が見えてくる。
Stones Throwの説明では、2002年の白盤はPeanut Butter WolfがミックスCDへ未発表曲を混ぜるために作られた。盤に余裕ができたため、以前からレコードにしたかった曲も加えたという。「Green Power (Original Version)」はその盤から後年リマスターされた録音であり、新しく演奏し直した「再録」とは区別しておきたい。
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DJの必要が、白盤を生んだ
Stones Throwの回想によれば、この白盤はPeanut Butter Wolfが英国向けのミックスCDへ未発表曲を混ぜるために用意された。さらに盤の余白へ、以前からアナログ化したかった曲を加えたという。完成したアルバムをそのまま縮めた商品ではなく、DJが使うという具体的な必要から曲を集めた盤だった。 「Green Power」の来歴をこの説明に戻すと、後のアルバムだけでは見えない流通の規模が分かる。演奏する人の都合やレコードを集める人の願いが、何を作品として残すかにも関わっていた。
姿は、声の後から育っていく
Jeff JankはQuasimotoの人格を半分作ったわけではなく、それはMadlib自身のものだと述べたうえで、絵は音楽に導かれると話している。南カリフォルニアの生活感を、当時オークランドにいた自分も理解できたという。 声と絵を同時に完成したブランドとして捉えるより、音楽を受け取った別の作り手が輪郭を与えた関係として見る方が面白い。これは本曲の白盤ラベルをJankの作品と断定する話ではない。初出の無地に近い外観と、後の強いキャラクター像を混同しないための視点でもある。
制作背景
サンプル元
配信元の公開情報では日本を配信対象に含む公式音源です。サイト内での実再生は未確認です。
出典
Quasimoto — Green Power 正規配信音源
Stones Throw — Summer 2002/初出と再録の説明
Stones Throw — Green Power (Original Version) 単曲情報
Stones Throw — Yessir Whatever 発売告知(2013年)