Run the Line

1997
地域 / シーン:California
Peanut Butter Wolf feat. Rasco
Stones ThrowのSTH2008販売ページは、ファイルがアナログ盤から作られたと明記している。
公式の配信データにも、12インチの来歴が残る
Peanut Butter Wolfの「Run the Line」は、Rascoを迎えた1997年のStones Throwの12インチから広がった曲だ。同じ盤のもう一方にはEncore参加の「The Undercover」が並ぶ。Wolfの名前を掲げながら、異なるMCへ場所を用意する。この一枚には、制作者とレーベルの主宰者という二つの役割が重なっている。
Street、Radio、Instrumentalという構成は、単なる収録曲数の違いではない。Wolfはレーベルの方針として、アーティストがレコードでライブを行い、DJが使えるようインスト盤を出すと説明している。作品を完成品として届けると同時に、次の表現の道具として渡す。その発想を「Run the Line」の盤面にも見いだせる。
1999年には『My Vinyl Weighs a Ton』に収録され、Rascoは「Hold Up」とともにアルバムを支える声の一人となる。当時のCMJ評も、DJの技巧だけでなく参加MCの存在を評価した。Wolfのソロ名義は一人で閉じる看板ではなく、さまざまな声とターンテーブルの技術を集める場所だった。
STH2008の公式販売ページには、掲載ファイルはアナログ盤を音源として作られた、という注記がある。Street、Radio、Instrumentalの三つの使い分けだけでなく、盤からデータへ移された経路も記録されている。ただし、この注記は同ページの販売ファイルについてのものだ。1999年のアルバム版や、このサイトの埋め込み音源まで同じ由来だとは断定しない。
深掘り記事あり · サンプル資料 0 件
声を抜いた版にも、渡す相手がいる
Stones Throwの公式カタログSTH2008は、「Run the Line」と「The Undercover」をそれぞれStreet、Radio、Instrumentalの3形態で掲載している。RascoとEncoreを紹介するレコードであると同時に、声のないトラックまで用意した、使い手に開かれたレコードでもある。 Wolfは自身のレーベル史で、インストを発表する理由をライブとDJの需要に結び付けている。これは本曲だけの制作談ではなく、発売形態に対する継続的な考え方だ。12インチを完成した歌の容器だけでなく、他者がプレイし、つなぎ、声を重ねるための道具として見ると、この3種類の併記にも意味が生まれる。
ソロ・アルバムの主役は、一人とは限らない
『My Vinyl Weighs a Ton』の発売時、CMJのBrian ColemanはDJ中心の楽曲を評価しつつ、参加するヴォーカリストが作品を決定づけていると論じた。Rascoの「Run the Line」「Hold Up」に加え、Planet Asia、Charizma、Lootpack、Kaziの参加曲を挙げる。これは後年のStones Throw像から振り返った評価ではなく、1999年の新譜評である。 「Run the Line」は、その集合の中へ12インチから持ち込まれた一曲となる。アルバム名義の主はWolfでも、ビートの制作者だけを追えば作品の半分を取り落とす。Rascoという声を軸にシングルを捉え直すことは、プロデューサーの個性が、誰を招き、どんな場を渡すかにも現れると考えることにつながる。
制作背景
初出とアルバム
1997年のSTH2008と、1999年のアルバム収録を区別する。
ラップ入りとインスト
公式レーベルはStreet、Radio、Instrumentalを別トラックとして販売している。
客演
Rascoの客演はレーベル、アーティストのBandcamp、公式配信で一致する。
サンプル元
公式音源の公開情報で曲名と投稿者を確認しています。サイト内での実再生は未確認です。
サンプル元を裏付ける資料がないため、個別名は掲載していない。
出典
Stones Throw: Run The Line / STH2008
Peanut Butter Wolf: My Vinyl Weighs A Ton