Sharp as a Knife

2011
地域 / シーン:New York
Werner von Wallenrodが辿った、「Sharp as a Knife」のデモとしての居場所。
175枚の発掘盤に残った、『Word...Life』以前の声。
「Sharp as a Knife」は、O.C.名義のBandcamp掲載クレジットでBuckwild制作、1994年と記されるデモだ。『Word...Life』以前の録音として紹介されたこの曲を、後の成功を知ったうえでの余裕だけで聴くのはもったいない。デビュー作に収まり切らなかった一曲に耳を向けることで、代表作の輪郭の外側に、同じ時期のMCが試していた語り口を探すことができる。
Werner von Wallenrodの2011年のEP評によれば、『O-Zone Originals Part 2』は175枚の限定盤で、「Sharp as a Knife」はB面に入った『Word...Life』以前のデモだった。彼はBuckwild制作と記し、題名から想像するよりリラックスした曲だと評している。鋭い題名の印象だけで決めず、デビュー前の録音を掘り起こした盤の文脈から向き合いたい。
ここで焦点を当てたいのは、BuckwildとO.C.の組み合わせを、完成された名盤の看板からいったん切り離して聴くことだ。まずラップの文がどこで区切られるかを追い、次に伴奏の反復へ注意を移す。語り手の感情が動く箇所でもビートが同じ足場を保つのか、それとも印象が変わるのか。デモという位置づけを欠点の一覧にせず、声とビートの関係が形になる途中を考えるための手掛かりにしたい。
2011年にはNo Sleep Recordingsの『O-Zone Originals Part 2』に収められ、2019年の大規模なアーカイヴ『The O-Zone Files』では冒頭近くへ置かれた。同じ録音でも、少量のアナログ盤で出会う場合と、初期デモからフリースタイルまでを並べた51曲の中で出会う場合では、前後に見える景色が違う。続けて『Word...Life』へ進む聴き方も、アーカイヴ内の「Would You Believe?」「Weak Ideas」と並べる聴き方も、この曲を単なる余り物にしない。
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制作背景
録音年と制作
O.C.名義のBandcamp掲載クレジットはBuckwild制作、1994年と記す。これは録音・制作時期であり、市販盤の発売年とは区別する。
2011年の発掘盤
2011年5月の盤紹介はNo Sleep Recordings『O-Zone Originals Part 2』B面への収録を確認できる。Disk Unionも同EPを2011年盤として掲載。
2019年のアーカイヴ
後年の『The O-Zone Files』にも収録。配信サービス間で日付が異なるため、デジタル編纂盤は2019年とする。
サンプル元
本人・制作陣の証言と曲別資料を照合。聴き方は資料に基づく編集上の考察。実再生は未検証。
確認できた引用関係のみを掲載。未掲載はサンプル不使用の認定ではない。
出典
O.C.名義Bandcamp:Sharp As A Knife
O.C.名義Bandcamp:The O-Zone Files
O.C. Demos and Vaulted Treasures — Werner von Wallenrod, May14 2011
No Sleep Recordings listings — Disk Union
The O-Zone Files — Hip Hop Golden Age