N.Y. State of Mind Pt. II

1999
地域 / シーン:New York
DJ Premierが後年語ったのは、第二部を作るよう背中を押したNasの言葉だった。
ためらうPremierを、Nasが説得した続編
「N.Y. State of Mind Pt. II」は、Nasの1999年作『I Am...』に収録された続編である。公式配信ではDJ Premierがプロデュースとミックスを担い、Nasir JonesとChristopher Martinが作者として並ぶ。1994年の第一部と名前が近くても、同じ録音の別表記ではない。五年後の作品として独立して向き合う必要がある。
2023年のMusic Weekの取材でPremierは、第二部を求められたとき、最初の曲を台無しにするのが怖くて当初は乗り気ではなかったと語っている。続編の成立には、名曲のブランドを利用する気軽さより、既に聴き手の記憶になった作品を動かすためらいがあった。後年にはこの続編を気に入っているとも述べている。
この証言は、第一部を基準に優劣だけを決める聴き方から少し離れる助けになる。同じ名前を使うことで、制作側も以前の達成を意識せざるを得なかった。その重さを抱えながら新しいアルバムに配置したこと自体が、NasとPremierの関係を語る。過去を消さず、しかし過去だけにもならないための第二部だ。
2025年のGQでPremierは、第二部にも当初は取り組みたくなかったが、Nasに説得されたと回想した。最初の曲を壊したくないという不安に、Nasはできると励ましたという。続編には、作り手を信じてもう一度頼んだ相手との関係も残る。
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『I Am...』の外側に散った曲たち
LEVELの口述史でNasは、第三作を二枚組にしたかったが、曲の流出によってその構想が崩れたと説明する。後に『The Lost Tapes』へ進む録音も、この周辺に存在した。 第二部の所在を考えるとき、完成した『I Am...』だけが制作のすべてではなかった点は重要だ。ただし、流出した各曲と本曲の録音日や制作順を、この証言だけから決めることはできない。完成盤に残った曲と、その外へ出た曲を別々に辿るための背景である。
声のために場所を空けるプロデューサー
2025年のGQの対談でNasは、Gang Starrを聴いたころからPremierの音で自分を表せると感じていたと語り、そのプロダクションをMCが立つ舞台にたとえる。Premierも二人の曲には一貫した手応えがあると話す。 第二部をこの関係の一地点として聴けば、単に同じ制作者を再登板させた以上の意味がある。ラッパーが自分の声を届けるために信頼する空間があり、その空間へ何年後にも戻れること。それが続編の成立条件でもあったと読める。
制作背景
録音担当
Eddie Sanchoが録音、Dexter Thibouがアシスタントとして記載される。
作品の日付
公式配信は『I Am...』の発売日を1999年4月6日とする。
サンプル元
配信元の公開情報では日本を配信対象に含む公式音源です。サイト内での実再生は未確認です。
サンプル元は未確認。未掲載はサンプル不使用を意味しない。