Say What

2004
地域 / シーン:ニューヨーク
Method Man feat. Missy Elliott
「Say What」は、Method ManとMissy Elliottの共演をTony DofatとSean “Puffy” Combsが支える曲だ。Missyの参加から制作まで同じ名前でまとめるのではなく、声を担当する人とビートを担う人を分けて聴くと、組み合わせの面白さが見える。Wu-Tangの一員として知られた声が、別の制作陣と出会っても失わない輪郭が、この一曲の入口になる。
『Tical 0』が前日譚なのは、前作が「終末」だから
「Say What」は、Method ManとMissy Elliottの共演をTony DofatとSean “Puffy” Combsが支える曲だ。Missyの参加から制作まで同じ名前でまとめるのではなく、声を担当する人とビートを担う人を分けて聴くと、組み合わせの面白さが見える。Wu-Tangの一員として知られた声が、別の制作陣と出会っても失わない輪郭が、この一曲の入口になる。
収録盤の『Tical 0: The Prequel』という名前は、単純な原点回帰宣言ではない。発売前の取材でMethod Manは、前作の「Judgement Day」が終末を意味するため、その先ではなく始まりへ戻るという題名の理屈を説明していた。前日譚という枠と、過去と同じ音を作ることは別物だ。「Say What」の異なる顔ぶれは、その区別をよく示している。
同じ2003年の取材で彼は、題材の前代未聞さより、音楽にどう乗り、言葉をどう扱うかを重視する姿勢を語っていた。声の個性は特定のプロデューサーだけに預けられているわけではない。制作クレジットの違いを変節の記号にするより、いつもの声が別の相手にどう応答するかという聴き方が、この曲には似合う。
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言葉より先に、フロウの旋律
2006年のVillage Voiceの取材でMethod Manは、まず響きや抑揚を考え、鼻歌のように形を作ってから言葉を入れる方法を話している。ビートが変わればフロウも変わるべきだ、という考え方だ。 これは「Say What」の録音手順を明かす証言ではない。それでも、文章を読み上げる以上の音楽としてラップを捉える手がかりになる。同じ声でも、語尾の置き方や間の取り方が変われば、共演者との距離も変わって聞こえる。
参考資料:Status Ain’t Hood interviews Method Man — Village Voice, 2006
期待されるWuらしさとの距離
同じ取材でMethod Manは、RZA以外と組んだだけで失敗だと決めつけられることへの不満を語った。ファンの期待が強いほど、既に知っている組み合わせが基準になり、新しい相手との仕事が先に採点されてしまう。 「Say What」をその議論へ置くと、制作陣の変更を良し悪しの結論にする前に、曲としての応答を聴く必要がある。Wuの一員であることと、ソロで別の関係を試すことは、必ずしも矛盾しない。
参考資料:Status Ain’t Hood interviews Method Man — Village Voice, 2006
制作背景
サンプル元
配信元の公開情報では日本を配信対象に含む公式音源です。サイト内での実再生は未確認です。
出典
Method Man feat. Missy Elliott — Say What 正規音源
Method Man — Tical 0: The Prequel
Method Man: Sound Off — AllHipHop, 2003
Status Ain’t Hood interviews Method Man — Village Voice, 2006