Good Ol Love

2004
地域 / シーン:New York
裏面の「Beautiful」と、アルバムの前日譚という仕掛け。
シングルから、前作へ戻る道
「Good Ol Love」はMasta Aceの2004年作『A Long Hot Summer』に収録された曲で、レーベルの公式映像はプロデューサーを9th Wonderと記している。長い活動歴を持つMCと次の世代の制作家が同じ曲で出会う。その組み合わせを名前の新旧だけで捉えず、曲がどんな作品の中に置かれたのかまで辿りたい。
同年のRapReviewsの取材でAceは、若い才能を世に送り出す足場を作りたいと説明した。また、短編小説を書き、人物を組み立てることにも取り組んでいたと語る。ラップの曲を書くことと、登場人物のいる物語を考えることが、彼の中では遠く離れた仕事ではなかった。
この背景を知ると、一曲だけを気に入ることと、アルバムの物語を追うことは対立しなくなる。「Good Ol Love」を独立した入口にし、その後で曲と曲の間の関係へ戻ることができる。聴き手がどこから入っても、作品の前後を探索する余地が残されている。Aceの長編的な仕事を、単曲の魅力が閉ざす必要はない。
2004年のRapReviews取材は、「Good Ol’ Love」の裏面を「Beautiful」と紹介する。同じ対談でAceは、『A Long Hot Summer』を前日譚にしたのは、『Disposable Arts』を知らない人に続きを聴きに戻ってほしかったからだと説明した。単曲から裏面へ、アルバムから前作へと進む道が見える。
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前日譚から、前作へ戻ってもらう
Aceは2004年の取材で、『A Long Hot Summer』を『Disposable Arts』の前日譚にした意図を説明した。前作が十分な機会を得られなかったと考え、新作から入った人にも前作へ向かってほしかったという。 物語の時間と、レコードが発売される順番は逆を向く。新しいアルバムを聴いた人が、その続きを知るために以前の作品へ戻る構造だ。「Good Ol Love」からAceに出会った場合も、一曲の先には一本の直線ではなく、作品の間を往復する道がある。
十二年後、カメラを持つ本人
2016年にBelow System Recordsが公開した「Good Ol Love」の公式映像は、撮影をMasta Ace本人、編集をJelle Smidと記載している。WordsworthやStricklinなど、出演者の名も列記されている。曲の発表から十二年後に作られた、別の入口である。 ここで年を読み分けると、映像の公開日を曲の誕生年と取り違えずに済む。同時に、既発曲が後年の映像で再び人々と結びつくことも見える。新曲でなくても、その曲を誰と、どう差し出すかという活動は続いている。
制作背景
公式音源の発売表示
公式音源は2004年8月3日、権利表記はM3。
配信提供
掲載音源のYouTubeへの配信提供元はSEEDと明記されている。
サンプル元
配信元の公開情報では日本を配信対象に含む公式音源です。サイト内での実再生は未確認です。
サンプル元は未確認。未掲載はサンプル不使用を意味しない。