Figaro

2004
地域 / シーン:Los Angeles / Stones Throw
2分33秒のデモと、2分25秒の完成版。二つの「Figaro」から、声の置き方とアルバムの並べ方を追う。
「Figaro」はデモと完成版を聴き比べたい
「Figaro」には、公式に聴き比べられるデモがある。『Madvillainy Demos』では6曲目で2分33秒。2004年の完成アルバムでは14曲目で2分25秒だ。八秒の差だけで何が変わったかは決められないが、同じ曲名の別版を並べる、はっきりした入口になる。
Stones Throwの回顧によると、「Figaro」と「Meat Grinder」は、DOOMがLAの家でMadlibと制作を始めた最初の数日に生まれた曲だ。後年のDemos盤も、初期の声を録音し、手早くミックスした段階を伝えるもの。2004年の完成版を、その最初の録音と同一のものとして扱わないほうが、二人の仕事を細かく追える。
レーベルは、デモ流出後のアルバム制作で声を録り直し、ビートを追加し、曲順を組み替えたと説明している。「Figaro」のどの語をどう直したかまで示す資料ではない。それでも比較するときの目印はできる。声の入り、句を区切る位置、曲の終わりを順に追えば、長さの数字だけでは分からない違いを自分の耳で確かめられる。
曲順にも手掛かりがある。両方の版で「Figaro」の前は「Operation Lifesaver AKA Mint Test」だが、次はデモの「Rainbows」に対して完成版では「Hardcore Hustle」。単曲を比べたあとは、前後も続けて聴いてみたい。同じ曲の出口が、次に来る曲によってどう感じられるかまで比較できる。
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ビートを二つのチャンネルにまとめて渡す
2004年のWax Poeticsの対話で、Madlibはビートを二つのチャンネルへ録り、構成を勝手に組み替えられない形で渡す方法を説明する。DOOMも、その上に声を置く考えに賛同した。これは制作全体についての証言で、「Figaro」だけの録音工程を特定するものではない。
参考資料:Wax Poetics — EgonによるMadlib / MF DOOM取材(2004、Stones Throw再掲)
2025年の配信日と、デモを作った時期は違う
公式BandcampのDemos盤は2025年1月31日発売表記だが、Stones Throwはこの初期音源群が2002年に流出し、2008年にはボックスのカセットとして発売されたと説明している。配信画面の新しい年を、録音年や初公開年と取り違えないようにしたい。
参考資料:Madvillain公式Bandcamp:Madvillainy Demos / Stones Throw:DemosとAudiophile Editionの説明
制作背景
掲載音源の版と確認範囲
掲載音源はStones Throw配信の『Madvillainy』アルバム版です。デモ、インスト、後年のリミックスとは区別しています。2分25秒は公式Bandcampの収録時間で、選択動画の長さを検証した値ではありません。 以前に確認したレーベル配信情報に基づく掲載です。日本での配信可否・埋め込み許可・動画の再生時間・実再生は今回再確認せず、現時点では未確認です。原盤と配信マスターの完全一致も未検証です。
MCとビート制作の役割
Stones Throwの作品紹介は、MF DOOMをMC、Madlibをプロデューサーとして説明しています。一方、以前に確認した配信メタデータのProducer欄にはMF DOOMも記載されています。このページの制作欄は原レーベルの役割説明に沿い、配信欄の表記だけからビートの共同制作を断定していません。
サンプル元
出典に基づく制作史と編集上の聴き方です。今回の実再生確認や編者の個人的な体験を意味しません。 実再生は未確認です。
本調査は3曲の版・制作史・年表との関係を中心に照合しました。サンプル一覧を網羅したものではなく、未照合の素材を推測で追加していません。
出典
Stones Throw — Madvillainy 10周年回顧
Madvillain / Stones Throw — Figaro公式Bandcamp
Madvillain / Stones Throw — Madvillainy公式Bandcamp
Wax Poetics — EgonによるMadlib / MF DOOM取材(2004、Stones Throw再掲)
Stones Throw Records LLC — Figaro(以前の配信メタデータ確認)