Make Her Say

2009
地域 / シーン:Cleveland / G.O.O.D. Music
Kid Cudi feat. Kanye West & Common
Gagaのピアノ版から生まれたフックに、Cudi、Kanye、Commonの声が集まる。
Gagaのピアノ映像から、フリースタイルのつもりが一曲になった
「Make Her Say」は、Kid CudiがKanye WestとCommonを迎えた2009年の一曲。制作はKanye、スクラッチはA-Trak。シングルとして発表され、同年のデビュー・アルバム『Man on the Moon: The End of Day』にも収められた。主役の名前を大きく描いたジャケットには、声で加わる二人だけでなく、レコードを操る手の名前まで記されている。
出発点は、Lady Gagaの「Poker Face」をピアノで演奏した映像だった。2009年のインタビューでCudiは、KanyeがYouTubeで見つけたその演奏を切り刻んでビートにし、自分は当初フリースタイルになると思っていたと振り返る。完成形から逆算した壮大な計画ではなく、別の曲の中に面白い断片を見つけること。その小さな発見が、一曲を動かし始めた。
同時代のPitchfork評は、露骨な性的ジョークを批判しながらも、三人が肩の力を抜いて言葉を交わす楽しさを拾っている。結婚や誓いを歌った曲として読み替えるのではなく、その軽口と遊び心を含めて聴きたい。曲の成立背景と、誰かがある出来事の記念に選ぶ理由は、同じでなくていい。ここでは、その二つを別々に残しておく。
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制作の入口:フリースタイルのつもりだった
Cudiの2009年の証言では、Kanyeが見つけたGagaのピアノ演奏映像を切り刻み、ビートを作ったことが始まりだった。Cudi自身はフリースタイルになると考えていたが、結果として一曲に育ったという。最初から完成品を目指した制作としてではなく、断片を面白がる発想から読む。
元ネタの違い:ダンス版ではなくピアノ版
同時代のPitchfork評が指すのは、通常のダンス・ポップ版ではなく『The Cherrytree Sessions』の「Poker Face」。まず元曲の録音違いを意識すると、同じメロディーでも声と伴奏の質感が変わることが分かる。Gagaを新録の客演歌手とするのではなく、引用された演奏の歌い手として捉えたい。
制作背景
声とスクラッチの役割
客演はKanye WestとCommon。Kanyeはプロデューサーとしても公式配信クレジットに記載される。シングルのジャケットにはA-Trakのスクラッチ担当も明記されている。
シングルとアルバムを区別
Explicit Versionシングルは公式配信で3分57秒、アルバム収録版は3分36秒。ここに掲載するプレイヤーは3分18秒の公式クリーン版MV。
サンプル元
Lady Gaga — Poker Face (The Cherrytree Sessions / piano version)
ピアノ版の歌声をKanyeが切り出してビート化。制作過程はCudi本人の証言、Cherrytree Sessions版の特定は同時代のPitchfork評による。
掲載プレイヤーは公式クリーン版MV(3分18秒)。配信元情報では日本を対象に含みます。実再生は未確認です。
Lady Gagaのピアノ版を使ったことは本人の証言と同時代評で確認できます。その他のサンプル元は未確認です。
出典
OMG.BLOG — Kid Cudi本人インタビュー(2009年5月19日)
Pitchfork — Tom Breihanによる同時代評(2009年4月14日)
Apple Music — オリジナル・アルバムの曲目・発売日