Through The Wire

2003
地域 / シーン:Chicago / Roc-A-Fella
Jeremy Tatarの比較が示す、二つの録音の単純ではない関係。
録り直した声にも、最初の声が残っている。
2004年2月のインタビューでKanyeは、映像の費用を自分で負担し、ラジオに届けるため独立したプロモーターも起用したと語っている。 「Through The Wire」は、曲を書くことと、その曲が届く場所を作ることが隣り合った一曲として辿れる。ここでは2003年の商業発売版を、2004年の『The College Dropout』に収めた音源を選ぶ。公式配信は制作をKanye、録音をFrancis Graham、ミックスをManny Marroquinと記す。 事故後の録音という逸話には版の区別が欠かせない。音楽研究者Jeremy Tatarは、初期ミックステープ版と後の再録版を比較している。 現在選んだアルバム版のすべての声を、顎を固定したまま録った声だと一括りにはしない。
音楽研究者Jeremy Tatarは、2003年の再録版にも、最初の版から残されたKanyeのアドリブがあると指摘する。新しいラップへ全面的に置き換えただけではない。顎を固定した時期の録音と回復後の録音を区別しつつ、同じ完成版の中に異なる時点の声が共存することまで見ると、「事故の直後に録った曲」という短い紹介では足りない理由が分かる。
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DIG:出典からもう一歩
Chaka Khanの「Through the Fire」から「Through The Wire」へ。歌声の速度と音程の変化を、Jeremy Tatarの比較音例とともに辿る。 初期ミックステープ版と商業発売版の声の違い、当時Kanyeが語った映像と宣伝への取り組みを併せると、録音が人に届くまでの道のりも見えてくる。
参考資料:Jeremy Tatar, Injury, Affirmation, and the Disability Masquerade, Music Theory Online 29.2 / Rishad Mistri, Kanye West, SPIN February 9 2004
制作背景
サンプル元
Chaka Khan — Through the Fire
Chaka Khanの歌声を速度・音程を上げて用いたサンプル。
サンプル元のYouTube掲載音源のメタデータを照合。実再生は未確認です。
Chaka Khan「Through the Fire」の歌声を用いたことを文献で確認。参考音源は公式配信のスタジオ録音で、実再生は未確認です。
出典
YouTube:公式配信 — Through The Wire
Rishad Mistri, Kanye West, SPIN February 9 2004
Through The Wire UMG official audio
Jeremy Tatar, Injury, Affirmation, and the Disability Masquerade, Music Theory Online 29.2
YouTube:Chaka Khan - Topic/Rhino・Warner公式配信「Through the Fire」