Body Movin'

2006
地域 / シーン:Detroit
J Dilla feat. J. Rocc & Karriem Riggins
手元のターンテーブルで録った演奏が、Dillaの編集を経て別の姿になった。
1200がなくても、J. Roccはカットを残した。
「Body Movin'」を、Dillaひとりが組んだドラムの見本として片づけるのは惜しい。BBEの曲目にはJ. RoccとKarriem Rigginsの名も並ぶ。『The Shining』のなかで、演奏者とDJの共同作業が前に出る一曲だ。
2006年のXLR8R取材でRigginsは、スタジオで生演奏を録音し、J. Roccがカットを加えたと説明している。KorgのソロはDillaの依頼だったという。完成品の輪郭を思い描く人と、その場で音を差し出す人。ビート制作とセッションが別々ではないことを、当事者の話が教えてくれる。
J. Roccは同じXLR8R取材で、その場にTechnics 1200はなく、古いタイプのターンテーブルでドラムにカットを重ねたと話している。録った時点の素材と、Dillaがまとめたものとの違いには本人も驚いたという。どの型番を使えば再現できるか、という話ではない。Rigginsの演奏、J. Roccのカット、それらを扱うDillaの仕事を分けて辿ると、三人で生まれた曲の制作過程が見えてくる。
ここで耳を向けたいのは、ドラムだけでなく、そこへ出入りする鍵盤とカットの関係である。ラッパーの声が中心にないからこそ、演奏と編集の役割を行き来しながら聴ける。短さは未完成の印ではなく、三人の仕事を凝縮する器になっている。
深掘り記事あり · サンプル資料 0 件
完成を託された人の耳
XLR8Rの2006年取材は、Dillaの死後、母MaureenとBBEのEddie BezalelがKarriem Rigginsに『The Shining』の完成を託した経緯を記している。Rigginsは外から参加した仕上げ役ではなく、生演奏を使う初期セッションから一緒に作品を作っていた。 「Body Movin’」で聴こえる共同作業は、作品を引き継ぐ人と作り始めた人が重なっていたことを考える入口にもなる。残された録音を整理する仕事の背後に、どんな音を目指していたかを知る仲間がいた。
同じ三人でも、役割を分けて追う
10周年版の曲別クレジットでは、James Yancey、Karriem Riggins、Jason JacksonにそれぞれProducerの役割が付く。一方、本人たちの取材ではRigginsの鍵盤演奏、J. Roccのターンテーブル、録音後に音を変えたDillaの仕事が個別に語られている。 制作名義を三つ並べるだけでは見えないのが、演奏から編集へ移る工程だ。カットの手触りと鍵盤の動きを別々に追ったあと、曲全体へ耳を戻すと、参加者の技が一つの形へ組み直される過程を想像できる。
制作背景
2006年の曲と2016年の再発
『The Shining』はBBEから2006年8月22日に発売。2016年には10周年版が登場した。
生演奏とターンテーブル
2006年の直接取材でKarriem Rigginsはスタジオでの生演奏とKorgソロ、J. Roccは普段と異なるターンテーブルでのカットを回想している。
ミックスまで含めた制作
J. Roccは、録音した演奏がDillaのミックスによって変化したことを語る。演奏を残すだけでなく、その後の整理までが曲づくりだった。
三人に並ぶ制作クレジット
10周年版の曲別クレジットではJames Yancey、Karriem Riggins、Jason JacksonがProducerとして並ぶ。演奏とカットについては、RigginsとJ. Roccの直接取材にも記録がある。
サンプル元
公式音源の公開情報で曲名と投稿者を確認しています。サイト内での実再生は未確認です。
個別確認中。未掲載はサンプル不使用を意味しない。
出典
XLR8R — Karriem Riggins and J Dilla Shine(2006年の直接取材)