Grown Man Sport

2003
地域 / シーン:New York Hip Hop
Grap Luvaが振り返る、InIへ加わるまでのためらい。
Pete Rockの弟から、一人のMCへ。
InIの『Center of Attention』に収められた曲で、制作はPete Rock。公式配信の作詞表記にはGregory Phillips、Rahsaan Rousseau、Robert Odindoの名前が並び、プロデューサーの名前だけでは収まらないMCたちの録音であることが分かる。
作品の流通史には複数の段階がある。1990年代の制作を経て、2003年にはBBE/Rapster盤が流通した。Vinyl Digitalによる2017年の再発も、新録というより、すでにあった録音を次の聴き手へ届ける機会だった。
同じアルバムへ戻れば、Pete Rockの制作を軸に異なるMCの声が並ぶ。客演の豪華さだけではなく、グループの声とプロデューサーの役割を分けて追うと、InIという名義の存在感が見えてくる。
Grap LuvaはThe Find Magの2011年の取材で、InIに誘われた当初、自分に貢献できることはないと思っていたと話す。仲間に説得されて参加し、アルバムでは自分の韻と言葉を厳しく吟味したという。「Grown Man Sport」だけの制作談ではないが、Pete Rockの名から入りがちな作品を、参加をためらっていたMC自身の仕事から捉え直す証言だ。
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残った曲と、残らなかった曲間
2008年のUnkut取材で、Pete RockはInIのアルバムがElektraで予定どおり発売されなかった経緯を、レーベルの人事交代と結びつけて回想した。さらに、流通していた盤には自分が用意した曲間のインタールードがなく、当初の全体像とも異なると述べている。「Grown Man Sport」が聴けることと、構想されたアルバムがそのまま残っていることは、同じではない。これは制作当事者の当時の証言である。
再発がつくる、次の入口
Pete Rock名義の公式Bandcampは「Grown Man Sport」を『Center of Attention』の一曲として掲載し、2017年の再発を案内している。一方、制作当事者が語った当初のアルバム構想とは、流通版の構成が異なる可能性がある。再発盤は録音への入口であって、あらゆる過去の版や構想を代表するものとは限らない。現在の配信の権利状態を、過去の証言だけで否定する趣旨でもない。
制作背景
Pete Rockの制作
公式音源はPeter Phillipsをプロデューサーと明記。
再発と原録音を分ける
公式Bandcampは2017年再発を案内し、AllMusicは2003年のRapster盤に同曲を掲載する。録音時期と各版の発売年は異なる。
サンプル元
公式アーティストチャンネルの音源を掲載。再生できない場合は、このページ内の別の公式プレイヤーも利用できます。
個別確認中。未掲載はサンプル不使用を意味しない。