Blue Funk

1993
地域 / シーン:Mount Vernon / New York
Pete Rockのビートへ、Heavy Dの声が腰を下ろす。華やかなヒット曲の裏側にある、骨太なヒップホップ。
重さと身軽さのあいだ
Heavy Dを、親しみやすいダンス・ヒットの人として覚えているなら、「Blue Funk」はもう一つの入口になる。同名アルバムの表題曲で、制作はPete Rock、共同制作はHeavy D。歌ものへ寄せて間口を広げるのではなく、ビートとラップの組み合わせへ目を向けたい一曲だ。
アルバムを振り返る記事では、以前の華やかなダンス志向から、より硬いニューヨークのヒップホップへ向かった作品として位置づけられている。けれど、親しみやすさを捨てた、と一言で片づけるのも惜しい。強いビートの中でMCがどれだけ身軽に動けるのか。重さと軽さを反対のものにしない聴き方が、ここには似合う。
このアルバムにはDJ Premierも参加している。けれど、アルバム全体の制作陣と、一曲のクレジットは分けておきたい。表題曲を手がけたのはPete Rock。同じ盤の「Yes Y’all」と並べれば、声は同じでも、その周囲に置かれる音の組み方が違うことを追いかけられる。
聴くときは、Heavy Dの声を追う一回と、声の隙間に残るビートを追う一回に分けてみる。声の置き方で、同じ拍の受け取り方も変わる。ポップな顔とストリートの顔を二つに割るより、その両方を持ったMCとして聴くほうが、Heavy Dという人の輪郭が広がる。
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制作背景
曲単位で読む制作陣
Apple Musicの楽曲クレジットはPete RockをProducer、Heavy DをCo-Producerとしている。UMGの公式音源でも両者の制作参加を確認できる。アルバムに参加した他のプロデューサーを、この曲の制作者とは扱わない。
アルバムの中の位置
『Blue Funk』の11曲目に置かれた約4分35秒の表題曲。次の「Yes Y’all」はDJ Premier制作として紹介されており、同じMCと異なる制作陣を比較する入口になる。
ダンス・ヒットの印象から一歩外へ
回顧記事は、このアルバムを従来のダンス志向から、より硬いブームバップへ踏み出した作品として論じている。表題曲は、その変化をPete Rockとの組み合わせで聴ける一曲。
年次と収録版を区別する
正規配信は1993年と表記する一方、原盤データベースには1992年の米国盤も掲載されている。ここでは正規配信のアルバム音源を採用し、動画の公開年を楽曲の初出年に置き換えない。
サンプル元
正規配信の曲別クレジット・アルバム資料・作品批評を照合。聴き方は編集上の考察であり、実再生確認を意味しない。
回顧資料にはサンプリングへの言及があるが、原盤クレジットと各引用箇所の直接照合は未実施。未確認のサンプル曲名は掲載しない。未掲載はサンプル不使用を意味しない。
出典
Heavy D & The Boyz — Blue Funk, Apple Music track credits
Heavy D & The Boyz — Blue Funk, Universal Music Group official audio
Heavy D & the Boyz’ Blue Funk Remembered 20 Years Later, TheDrop
Heavy D & the Boyz — Blue Funk, RapReviews