Proper Education

1992
地域 / シーン:New Rochelle
Grand Pubaの回想から見る、声が書類へ移される場面。
歌詞を書き出して、とレーベルは言った。
Paul Thompsonの取材で「Proper Education」などへの反発を問われたGrand Pubaは、レーベルが『Reel to Reel』の歌詞を書き出すよう求めたと振り返る。彼が断ると、別の人が雇われて転記したという。これは本人が語るアルバム全体の話で、この一曲が検閲された、という証言ではない。ラップを聴く側と文字で確かめる側の距離を考える入口になる。
1992年のソロ・アルバム『Reel to Reel』収録。Tommy Boyの現行カタログでは11曲目に位置し、同レーベルの公式音源も公開されている。初出のElektraと現在の配信権利表記は区別して捉えたい。
Grand Pubaはニューヨーク州New Rochelle出身。Masters of Ceremonyで活動し、Brand Nubianを経た後にソロ作を発表した。グループの一員として知られる声を、一枚のアルバムの中心に据え直した時期の曲である。
曲別の盤クレジット転記では制作をGrand Pubaが担当し、Vaughn Sessionsがエンジニアとして記される。グループでの活動を経たMCが、自分の声と制作を一枚の作品にまとめる。その重なりが、このソロ作を辿る手がかりになる。
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ソロで増えたのは、顔の数
Grand PubaはPOWの本人インタビューで、『Reel to Reel』を、それまでの自分からの断絶ではなく、Brand Nubianの作品にもあった自身の側面を広げる機会だったと説明する。楽しさ、暗さ、考えさせる内容を一枚の中で釣り合わせる。その発想を踏まえると、政治性の強い「Proper Education」も、ユーモアのある曲と対立する別人格ではなく、同じMCの振幅として読める。最後の位置づけは、本人の説明を踏まえた編集上の解釈である。
歌詞を書き取る側と、語る側
同じ取材で「Proper Education」などへの反発を問われたPubaは、当時のレーベルが『Reel to Reel』の歌詞を書き出すよう求め、自分が断ると別の人を雇って転記させた、と回想している。これは本人による制作当時の証言であり、検閲や発売差し止めがあったという話ではない。口頭の表現がレコード会社の書類へ移される場面にも、ラップをめぐる理解の距離が見える。
制作背景
1992年のソロ作
1992年作『Reel to Reel』の公式トラックリストに収録されている。
グループからソロへ
公式アーティスト紹介はMasters of Ceremony、Brand Nubian、Reel to Reelという活動歴を記載。
曲別の制作担当
1992年CDのクレジット転記資料はProper Educationの制作をGrand Puba、エンジニアをVaughn Sessionsと記載。アルバム全体の制作陣とは区別する。
サンプル元
公式音源の公開情報で曲名と投稿者を確認しています。サイト内での実再生は未確認です。
個別確認中。未掲載はサンプル不使用を意味しない。