You Can't Go Home Again

2002
地域 / シーン:Davis / San Francisco Bay Area
DJ Foodの『Press Cuttings』にも置かれた一曲。
別のDJの編集で、アルバムへの扉になる。
Angus Bateyの2022年の回顧によると、「You Can’t Go Home Again」の基盤となったファンクのブレイクはCut Chemistも見つけていた。Shadowには先に自分の形を刻みたい思いがあったという。二人の共有する耳が、共作とは別のかたちで曲を動かしていた。
2002年のResident AdvisorでKarl Palmaは、スカを思わせるベースと80年代風のシンセ、手の込んだドラムに注目した。ここでのスカは曲のジャンルを固定する札ではなく、評者がつかんだ跳ね方の比喩だ。前作からの変化は、音の明るさや身体の動き方にも聞き取られていた。
2012年、本曲を紹介したShadowは、アルバム『The Private Press』を前作より洗練された作品と評価した。同時に、まとまりや最初の声明としての力では別だとも留保している。デビュー作の衝撃と、その後の成長を同じ物差しで測らない。本人の言葉は、この曲に戻るもうひとつの入口になる。
DJ Foodの公式公開情報は、2002年にSolid Steelで放送した『Press Cuttings』の曲目の先頭に「You Can’t Go Home Again」を記している。これは『The Private Press』周辺の曲とインタビュー断片を使う別のミックスで、単曲の代替音源ではない。Shadowのアルバムが、別のDJに切り分けられ、組み直されて紹介された経路も辿れる。
深掘り記事あり · サンプル資料 0 件
導入部には、よく知られた名前も
Bateyは導入部の出所を、Simon & Garfunkel『Bridge Over Troubled Water』収録曲と記している。自主制作盤の探究がアルバムの軸にあっても、有名な作品を避け尽くしたわけではない。希少な盤と誰かの家にある名盤を、同じ曲の材料として眺める。その混ざり方にも、このアルバムの開かれた一面がある。
参考資料:The Quietus:Angus BateyによるThe Private Press再考(2022年6月6日)
DJ Foodのミックスへ伸びる枝
DJ Foodの「Press Cuttings」は、本曲を含む『The Private Press』周辺の曲とインタビュー断片を組み直したミックス。作者によれば2002年5月6日のSolid Steelで放送され、手製CD-Rの一枚をShadowへ渡した。完成アルバムを、別のDJがどう読んだかを知る入口になる。
参考資料:DJ Food公式:自身が所有するプロモ盤と制作したミックスの回想(2010年9月17日) / DJ Food公式SoundCloud:Press Cuttingsの曲目と放送情報
制作背景
サンプル元
『The Private Press』収録の公式アルバム音源を掲載。実再生は未確認です。
使用素材の全同定は未完了。サンプル不使用を意味しません。
出典
YouTube:djshadow公式アーティストチャンネル/PIAS提供アルバム音源
The Quietus:Angus BateyによるThe Private Press再考(2022年6月6日)
Resident Advisor:Karl Palmaのシングル評(2002年6月24日)
The Quietus:DJ Shadow本人によるReconstructed解説(2012年10月23日)