Midnight in a Perfect World

1996
地域 / シーン:San Francisco Bay Area
「Midnight」の映像は、完成した曲ではなくサンプルに合わせて撮られた。B+の制作回想から、音と映像の切れ目を追ってみる。
サンプルの切れ目を映像で見る
「Midnight in a Perfect World」のミュージックビデオには、サンプリングの仕組みを目で追うための工夫がある。映像を手がけたBrian “B+” Crossによると、撮影の基準にしたのは完成曲ではなく、材料になったサンプルだった。
本人が例に挙げるのは、女性がチェロを弾く場面。二つの映像を徐々に重ねるディゾルブを入れ、その途中で切る。もとの音楽の流れより、Shadowが組み直した曲の切れ目を優先する編集だという。映像の奏者を、そのままサンプルの演奏者だと思わないことも大切だ。
音の組み合わせについては、Shadow自身も別の回想を残している。気に入ったループを見つけたのは1992年ごろか、それ以前。すでにあったビートにそのループを合わせて曲が生まれたが、ビートの加工手順は思い出せないと、2012年のThe Quietusで話している。
繰り返すフレーズの始まりと終わりを追い、MVの画面が切り替わる場所と比べてみたい。ここで取り上げるMVと、このページの掲載動画が同じ編集版かは今回確認していない。
深掘り記事あり · サンプル資料 5 件 · 確認中 レーベル / 初出年・版
青いジャケットはフィルムの色
米国盤シングルの青い写真について、B+は曲名に合わせた色ではなく、使ったフィルムの結果だと説明している。英国盤とは別の収録内容に合わせ、写真も別の案になった。曲名から制作意図を決めつけないための、小さな手がかりだ。
別ミックスは本編と分けて聴く
公式20周年盤は、アルバム本編、Gab Mix、Hudson Mohawke Remixを別々に収録している。同じ曲名でも版が違う。聴き比べるときは、まず本編の構成を基準にしてから別ミックスへ進みたい。
制作背景
掲載音源について
公式配信候補を採用。音源の掲載説明を照合していますが、埋め込みでの再生可否は未検証です。
サンプル元
David Axelrod — The Human Abstract
旋律の核となる断片。DJ Shadow本人が制作回想で原曲を明かしている。
Pekka Pohjola — The Madness Subsides
複数の楽器音を組み合わせる素材として、サンプル資料に記録されている。
Baraka — Sower of Seeds
ヴォーカルの断片。曲の夜の風景に声の奥行きを加える。
Meredith Monk — Dolmen Music
異様な浮遊感を生む弦のような音の素材。DJ Shadow本人の取材記事で説明される。
Akinyele — Outta State
『midnight』と繰り返す声の素材。DJ Shadow本人が制作インタビューで出所を説明している。
選曲・短い聴きどころを掲載。発売情報と全サンプルの詳細調査は継続中。
個別調査中。サンプル不使用を意味しません。
出典
YouTube — DJ Shadow / Midnight in a Perfect World
David Axelrod / The Human Abstract — サンプル関係の資料
The Quietus — DJ Shadow本人によるReconstructed曲別回想、2012年10月23日
Brian “B+” Cross本人インタビュー(2020年取材/2021年公開)