Product Placement: On Tour

2004
地域 / シーン:California / all-45s DJ mix
DJミックス作品
『On Tour』のCDとDVDを、同じ記録としてひとまとめにしない。
音だけのセットと、各地をつなぐ映像。
DJ Shadowは『Product Placement』を、自分の中では『Brainfreeze』を上回るセットだったと語っている。Exclaim!の取材で強調したのは、続編に注いだ仕事への誇りだった。2001年の原作からつながる『Product Placement: On Tour』は、2004年に発表されたライブの記録。先の成功をもう一度見せるだけで満足せず、二人で組み立てた次のセットを舞台へ持ち出した、その展開をたどる一作だ。
Cut Chemistは後年、Shadowとの共同作業では、ターンテーブルの技術とレコードを掘る力を一緒に示したかったと説明した。DJ Timesの取材で重きを置いたのは、新しく発見した古い音楽を人と分かち合うことだった。技を見せる瞬間にも、その手の下には誰かが録音した音がある。『On Tour』を聴く入口もそこにあると思う。何を発見したかと、それをどう届けるか。その両方を担って初めて、二人のパフォーマンスになる。
素材の行き先には、レコード店のジャンル棚だけでは見つけにくいものもある。原作の当時評が取り上げた「Cookin’ with Gas」は、天然ガスを宣伝するためのラップで、『On Tour』のDVD評にもその演目が登場する。商品を売るための声が、別の文脈ではDJセットの呼び物になる。広告の音まで面白がって拾い上げる耳と、その可笑しさを人前へ差し出す感覚。作品名の『Product Placement』には、そんな遊びを読むこともできる。
『Product Placement』の発想を支えた盤には、友人から借りた一枚もあった。Dante Carfagnaは2022年のインタビューで、The Basicの「Milk」をThe Music Exchangeで見つけ、ミックスに使えるようShadowとCut Chemistへ貸したと明かしている。本人が企画の中心に位置づけるこの45sからは、完成したセットの背後に、発見を持ち寄る仲間の存在が見えてくる。
Steve “Flash” Juonの2005年のレビューは、『On Tour』をCDとDVDの組み合わせとして紹介し、DVD本編が東京、ロサンゼルス、ロンドンなどの公演をつないだ編集であると記す。ここで選んだ音声版から映像へ進む際も、一晩の会場をそのまま収めた記録とは決めつけない。盤の形態を分けることで、ツアーが作品になる編集の層が見えてくる。
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DVDがつなぐ、複数の街
RapReviewsによれば、『On Tour』のDVD本編は東京、ロサンゼルス、ロンドンなどの公演をつないでいる。一晩のステージをそのまま固定した映像ではなく、各地で演奏されたセットを編集した作品だ。同じルーティンを異なる場所へ運ぶというツアーの広がりが、その構成にも残っている。これはDVD版の特徴であり、掲載しているYouTube音源の収録地を特定する情報ではない。
二人の外へ広がる、45sの輪
同DVDには「Cookies & Milk: Around the World in 14 DJs」も収録され、Shortkut、Egon、DJ Spinnaらの45sセットを紹介している。二人の演奏だけを追う本編とは別に、同じフォーマットを使う別のDJへ視線を開く構成だ。共通するのは盤のサイズでも、選ぶ音や組み方まで同じになるわけではない。45sの面白さが、個々のDJの違いとして立ち上がる。
制作背景
サンプル元
掲載はMixtapeTrapによる第三者参考動画です。動画は60:44で、CD版(61:33)と長さが異なります。原盤との完全一致と実再生は未確認です。
複数のレコードをつないだミックス作品です。個々の使用音源の一覧は掲載していません。
出典
Exclaim! — DJ Shadow本人が語るProduct Placementへの自負
DJ Times — Cut Chemist本人が語る発掘と演奏の両立(2015年)
RapReviews — On TourのDVD/CD評(2005年7月12日)
Pitchfork — 2001年Product Placementの素材を扱う当時評
MusicBrainz — On Tour、2004年米国CD・PRSCD-001
Tower Records — On Tour、2004年の限定CD
Cut Chemist公式ストア — On TourライブDVD/CD
DJ Shadow Reconstructed — Dante Carfagna本人の発掘とツアー回想(2022年10月9日)