Me Myself and I

1989
地域 / シーン:Amityville / Long Island
レーベルの注文と、以前から使いたかった素材。MaseoとDaveの証言から、ヒット曲の生まれ方を読み直す。
注文から生まれた曲にも、好きな音があった
「Me Myself and I」の出発点には、Maseoが持ち込んだ「Knee Deep」があった。Prince Paulは1990年の取材で、レーベルがもっと親しみやすい曲を求めたため、この素材を使い、ドラムと構成を加えたと説明している。最初に聴いたPosとTrugoyは、商業的すぎると感じたという。
ただし、これを単に「作りたくなかったヒット曲」で終わらせると、本人たちの気持ちを取りこぼす。GQの取材では、Maseoは以前からこの素材を使いたかったと話し、Daveもサンプリングできてよかったと振り返る。レーベルの注文と、好きなレコードを使う喜びは、同じ曲の中にあった。
制作をPrince Paul一人の仕事にまとめないことも大切だ。Maseoは2013年の取材で、この曲のアイデアを持ち込んだのは自分だったと説明している。曲を聴く入口として、素材を選ぶ仕事と、それを曲に組み立てる仕事を分けて考えてみると、共同制作の中身が少し具体的になる。
対象は1989年の『3 Feet High and Rising』に収められた曲。2023年は、初期カタログがストリーミングにそろった年だ。Reservoirの当日告知でも、この二つの年は分けられている。現在の配信版へ進むときも、新曲や別のリミックスが1989年版に置き換わったとは扱わない。
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シングル盤にも、ひと工夫
2023年のRadio Milwaukeeの取材では、「3面ある」シングル盤の話題になると、Maseoはそれが「Me Myself and I」だと応じ、Tommy Boyの発案をたたえている。曲だけでなく盤の作りにも遊びを持ち込んだ例だ。ただし、ここでは溝の仕組みや特定プレスの仕様までは断定しない。
参考資料:Radio Milwaukee — De La Soul’s Maseo: The dream became real life and kept going(2023年4月25日)
制作背景
掲載音源の版と確認範囲
掲載音源は1989年のアルバム曲を収めた2023年AOI/Chrysalisの配信版です。曲の初出年と現在の配信年を分けて記載しています。 以前に確認したレーベル配信情報に基づく掲載です。日本での配信可否・埋め込み許可・動画の再生時間・実再生は今回再確認せず、現時点では未確認です。原盤と配信マスターの完全一致も未検証です。
サンプル元
出典に基づく制作史と編集上の聴き方です。今回の実再生確認や編者の個人的な体験を意味しません。 実再生は未確認です。
本調査は3曲の版・制作史・年表との関係を中心に照合しました。サンプル一覧を網羅したものではなく、未照合の素材を推測で追加していません。
出典
Music Technology — Prince Paul本人への取材(1990)
Talkhouse — Prince Paulの寄稿(2014)
Apple Music — 3 Feet High and Rising標準盤
Reservoir(先行資料の配信元記録。今回未再取得) — Me Myself and I(以前の配信メタデータ確認)
GQ — De La Soul Picks Their Favorite (and/or Most Hated) Tracks(本人たちのインタビュー)
Radio Milwaukee — De La Soul’s Maseo: The dream became real life and kept going(2023年4月25日)