Mince Meat

2005
地域 / シーン:Danger Mouse × MF DOOM / Lex Records
Max Mertensが「Mince Meat」を知ったのは、Punk-O-Rama 10だった。
パンクのコンピから、DOOMに出会う。
音楽ライターMax MertensはTone Glowへの寄稿で、弟が持ち帰った『Punk-O-Rama 10』から「Mince Meat」を知ったと回想している。NOFXやThe Offspringと同じ盤に入っていたDOOM。彼は当時Adult Swimの引用を理解できなかったが、曲の言葉に引き込まれたという。作品の背景をすべて知るより先に、別のジャンルのコンピが出会いを作った一例だ。
「Mince Meat」は、Danger MouseとMF DOOMによるDANGERDOOMの2005年作『The Mouse & The Mask』に入っている。共同名義が、そのまま二人の役割を思い出させる。声の主と、その声の舞台をつくる人だ。
DOOMはキャラクターを使うことで、一人称を実生活の証明から解き放とうとした。話し手の誇張を、作者自身の告白へ即座に置き換えない。そうして聴くと、ラップの中に置かれた想像力へ近づける。
アルバムの図案も、一度では読み切れない。仮面と耳、色の粒と小さな災厄。遠くから見える形と、近づいて見える内容が違う。一曲を入口に、言葉とパッケージの両方を覗いてみたい。
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自伝ではなく、人物をつくるラップ
2005年のThe Wireの取材でDOOMは、ラップの一人称を本人の告白と結びつける制約から離れ、想像の中なら大胆に自慢できるキャラクターを作りたかったと説明している。悪役も視点を変えれば単純な悪役ではない、というコミックの書き方が、その発想にあった。 これは「Mince Meat」の録音談ではなく、DOOMという人物像を理解する背景だ。Danger Mouseと組んだ作品でも、語る声を作者本人とすぐに同一視しない。誰が話しているのかを考えることで、言葉の飛躍や誇張を楽しむ余地が広がる。
仮面の奥に隠された、小さな災厄
EHQuestionmarkが手掛けた『The Mouse & The Mask』の外袋には、DOOMの仮面とネズミの耳が重ねられている。Lexの解説によれば、透けて見える内袋の点描は石原式色覚検査を思わせ、その円の中には気候変動、酸性雨、宗教戦争、核漏出などの小さな図像が隠れている。 この視覚的な二重性は、作品を掘るもう一つの方法を教えてくれる。一見した印象だけで済ませず、細部へ近づき、それから全体へ戻る。「Mince Meat」の歌詞をこの図像の説明へ還元するのではなく、同じアルバムを包む別の表現として眺めたい。
制作背景
制作の組み合わせ
DANGERDOOMはDanger MouseとMF DOOMによる作品。Lexの公式作品ページがDanger Mouseの制作を明記している。
2005年の収録曲
公式配信の権利表記は2005年Lex Records。
サンプル元
Danger Mouse公式チャンネルの音源。公開情報では日本を含む地域での配信が案内されています。サイト内での実再生と、従来の配信音源との同一マスターの確認はできていません。
サンプル元を裏付ける資料がないため、個別名は掲載していない。
出典
DANGERDOOM公式Bandcamp — Mince Meat
Lex Records — The Mouse and the Mask
Danger Mouse公式チャンネル — DANGERDOOM「Mince Meat」Official Audio