When the Shit Goes Down

1993
地域 / シーン:California
1993年のビートを起点に、別編成の未来へ。
1993年のビートを起点に、別編成の未来へ。
「When the Shit Goes Down」は、Cypress Hillが1993年に発表した『Black Sunday』の4曲目。制作を担うDJ Muggsはプログラミング、ターンテーブル、ミックスにも名を連ね、B-RealとSen Dogの声を支える。ビートを作ることと、声が立つ場所を仕上げることが、一人の仕事の中でつながっている。
その背景には、西海岸だけでは完結しない制作の道筋がある。Muggsは『Black Sunday』のビートとラップをニューヨークの自宅でまとめたと振り返り、ミックスを担当したJoe “The Butcher” Nicoloはフィラデルフィアでの作業を語っている。地域の呼び名だけでは見落とす、人と技術の往復がこのアルバムを支えた。
本曲は後にLondon Symphony Orchestraとの公演でも取り上げられる。1993年の録音を保存するだけでなく、別の演奏者へ渡して再構成できる楽曲でもあるということだ。サンプルを組み合わせた録音と、大人数が演奏する編曲。その距離をつなぐ起点として、オリジナル版には独自の位置がある。
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低音は、足すだけでは生まれない
『Black Sunday』全体の制作について、MuggsはSP-1200を2台使い、ニューヨークのアパートで6週間のうちにビートとラップをまとめたと語る。その素材はNicoloのStudio 4へ運ばれた。本曲の個別セッションを再現する証言ではないが、MuggsとNicoloが共同でミックスを担当した背景を具体的にする話だ。 Nicoloが明かす低音作りの要点は、低域をひたすら加えるのではなく、濁りの出る中低域を引いて空間を確保することだった。素材の多さと音の厚さは同じではない。少数のループやドラムをどう配置し、声の通る帯域をどう残すかという判断も、Cypress Hillの音を作る重要な仕事だった。
サンプラーの音楽を、オーケストラへ手渡す
2024年7月10日、Cypress HillはRoyal Albert HallでLondon Symphony Orchestraと共演した。翌年発売の公式ライブ盤には「When the Shit Goes Down」も収録される。レーベルは、DJ Muggsの原録音を発想源にしたオーケストラ編曲で『Black Sunday』全体を再構成した公演、と説明している。 指揮と編曲を担当したTroy Millerは、バンドから編曲の自由を与えられたと語る。原盤の各音をそのまま別の楽器へ置き換えるだけでなく、他の音楽家に解釈の余地を渡した企画だったと読める。1993年のスタジオ版と2024年の再演は別の録音だが、その間には、ビート中心の作品を大編成へ開くという明確な試みがある。
制作背景
原盤
1993年Columbia作品Black Sundayに収録。制作はDJ Muggs。
別編成での再演
2024年7月10日、London Symphony OrchestraとRoyal Albert Hallで共演。原曲とライブ版は別録音。
サンプル元
公式音源の公開情報で曲名と投稿者を確認しています。サイト内での実再生は未確認です。
サンプル元を裏付ける資料がないため、個別名は掲載していない。
出典
When the Shit Goes Down 公式配信クレジット
Cypress Hill公式: Black Sunday Live at Royal Albert Hall
Apple Music — When the Shit Goes Downの演奏・制作クレジット