CRATEDIGGIN'CURATED BY DJ NAOYAMAN

Slum Village

Slum Villageのコラージュ画像(ユーザー提供)
ユーザー提供

アーティスト名義または制作クレジットのどちらかで掲載5曲以上を特集候補、8曲以上を優先候補とします。曲数だけで公開せず、本人の証言や制作背景から独自の読み応えを作れることを条件にします。曲数は掲載済みの楽曲録音を名義別・役割別に集計し、同じ録音の重複やアルバム全体・ミックス・ライブ映像は含めません。未確認の制作クレジットを補完したり、グループの作品をメンバー個人へ自動加算したりしません。公開済みの記事は曲数にかかわらずアーカイブとして残します。

活動拠点:Detroit, Michigan, USA。Slum Villageと別名義J-88をグループ名義として扱い、Common、DJ Jazzy Jeff、Dweleの掲載曲はSlum Villageの客演・参加作品として分けます。J Dillaのソロ作品や、メンバーが制作しただけの他アーティスト曲は自動追加しません。

PRODUCTION STORIES

Detroitの輪の中から、次のグルーヴへ。

Conant Gardensから広がったラップとビートの共同作業。初期の3人、変わる編成、変わらないレコードへの好奇心をたどる。

Slum Villageを、J Dillaの参加したグループという一行だけで閉じてしまうのは惜しい。誰がビートを作り、誰が声を重ね、どんな場所でその曲が育ったのか。ここではその関係を、本人の証言とレーベル資料から読み直す。

DETROIT / CONANT GARDENS

活動の根は米国ミシガン州Detroit、Conant Gardens。Ne’Astra Musicの2013年の資料は、初期のメンバーをBaatin、T3、J Dillaと記し、同じ地域で育った3人がDetroitのアンダーグラウンドで活動を広げたことを伝えている。これは出生地だけでなく、音楽活動の地域としてのDetroitだ。

出典:Ne’Astra Music / Traffic Entertainment — Evolution(2013年・公式配給資料)

レコードが街に届くまで

T3は2024年の取材で、St. Andrew’sとHip Hop Shopを当時の集まる場所として挙げている。自分たちで作ったカセットをDJのHouse Shoesへ渡し、毎週プレイされることで曲が知られていったという。作品が街に届く道筋には、スタジオだけでなくDJと現場があった。

出典:The FADER — T3・Young RJインタビュー(2024年5月15日)

2000 / FANTASTIC VOL. 2

2000年作『Fantastic Vol. 2』は、このページから聴き進める大きな入口。日本盤のレーベル資料では、Conant Gardens、Fall in Love、Get Dis Money、Playersの収録を確認できる。日本盤発売日は2000年8月2日で、各曲の最初の発表時点と同一とは限らない。

なお、本サイトのFantasticは2005年作『Slum Village』に収録された曲。『Fantastic Vol. 2』の「Untitled / Fantastic」と、タイトルの似かよいだけでひとまとめにしない。

出典:Victor — Fantastic Vol.2 日本盤(2000年) / Apple Music — Slum Village(2005年・公式配信カタログ)

J-88という別名義、客演という別の接点

J-88はSlum Villageの別名義。『Best Kept Secret』に収録されたGet It Together (Madlib Remix)も、このグループをたどる作品として含める。別名義の同定にはQobuz掲載のTiVo解説を参照した。

一方、CommonのThelonius、DJ Jazzy JeffのAre U Ready?、DweleのA.N.G.E.L.は、主名義を置き換えず参加作品として並べる。下の切り替えで「本人・グループ名義」と「制作・参加作品」を分けて聴ける。

出典:Qobuz — J-88 / Slum Village(TiVo解説・別名義の補助資料)

編成を変えて続くグループ

歴代の編成と、取材時点の編成は分けておきたい。2013年の『Evolution』のレーベル資料ではT3、Young RJ、Illa Jが記されている。2024年のThe FADERのインタビューはT3とYoung RJの2人を取材している。掲載写真だけから現在のメンバー構成や撮影時期を判断してはいない。

同取材でT3は、2人でレコードを聴き、ループを選び、Young RJが切り分けていく作業を説明する。『F.U.N.』(2024年)ではファンクやディスコへ向かった。昔の音を固定して守るだけでなく、レコードを探す方法を次の作品へ持ち込んでいる。

出典:Ne’Astra Music / Traffic Entertainment — Evolution(2013年・公式配給資料) / The FADER — T3・Young RJインタビュー(2024年5月15日) / Slum Village公式Bandcamp — F.U.N(2024年)

このページの聴き方

まず「Conant Gardens」から、同じアルバムの「Players」「Fall in Love」へ。次に2004年の「Reunion」、2005年の「Ez Up」や「Can I Be Me」、2010年の「Earl Flinn」へ進む。ここでの選曲順は編集上の提案であり、DJでの使用頻度の順位ではない。

声とビートを別々に採点するのではなく、どこで譲り合い、どこで前へ出るかに耳を置きたい。グループの名前はひとつでも、そこに残る時間と人の組み合わせはひとつではない。

沿革は出典の時点を明記し、歴代メンバーと現在の編成を混同しません。「このページの聴き方」はDJ Naoyamanによる編集上の視点です。個別曲の制作クレジット・発表年はリンク先の資料に基づきます。

収録作品 18曲

A NOTE FROM THE EDITOR

Old records.
New afternoons.

音楽は、発売された年に閉じ込めておくには、
少しばかりよくできすぎている。

好きな曲を掘る。元になった音をたどる。街や仲間の話に寄り道する。
そうして、いまの自分の耳を、もう一度確かめる。

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