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ピアノソナタ第14番「月光」第1楽章

Piano Sonata No.14 “Moonlight” Op.27-2, 1st movement

途切れない三連符の伴奏の上で、低い旋律がゆっくり語られる緩徐楽章です。ソナタの一般的な配置を逆にし、緩い楽章から始まります。静かな曲にも、こんなに絶え間ない動きがあるのが面白いです。

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作曲者
ベートーヴェン(古典派)
カテゴリ
ピアノ独奏
作曲年
1801年
作品番号
Op.27-2
調性・拍子
嬰ハ短調・2/2拍子
形式
ピアノソナタ(第1楽章 Adagio sostenuto)
難易度
ヘンレ版は販売店情報で「上級」です(数値は未確認)。第1楽章単独は技術的に平易ですが、音量の幅が小さいぶん難しいです。
献呈
伯爵令嬢ジュリエッタ(ジュリー)・グイチャルディです。ただし献呈は最終段階で決まったもので、当初グイチャルディに予定されていたのはロンドOp.51-2です(セイヤーによります)。
ムード
夜・切ない

作曲の経緯

1801年、ベートーヴェンが30歳のころに完成した作品で、委嘱を受けた証拠はありません。作品27の2曲(第13番と第14番)には、どちらも「幻想曲風ソナタ」という題が付けられました。伝統的な「急−緩−急」を避け、緩やかな楽章から始めて速度を段階的に上げ、重心を終楽章に置いた配置になっています。献呈相手のジュリエッタ・グイチャルディは、1801年11月にヴェーゲラーへ宛てた手紙で恋心をほのめかした弟子ですが、この献呈は当初からの意図ではなく、本来グイチャルディに捧げる予定だったロンドOp.51-2をリヒノフスキー家の令嬢に贈ることになったため、代わりにこのソナタが充てられたとされます。

出版・初演

初版はウィーンのカッピ社から1802年に出版されました。日付は資料により異なり、日本語版Wikipediaは「1802年3月」、英語版Wikipediaは初版タイトルページに「2 August 1802」とあるとします。このため月日は断定しません。タイトルページには「チェンバロまたはピアノフォルテのための」とあり、当時の出版社の販売上の慣行とされます。初演の記録は未確認です。

題名・通称の由来

ベートーヴェン自身の命名ではありません。詩人ルートヴィヒ・レルシュタープが、第1楽章の効果を「月明かりに揺れる湖」のような情景にたとえたことに由来します(命名時期は英語版が1824年、日本語版が1832年で食い違う)。「ルツェルン湖の舟」という有名な表現は、1852年にヴィルヘルム・フォン・レンツが付け加えたものらしいです。チェルニーは先んじて「夜景。遠くから悲しげな亡霊の声が聞こえる」と評しました。ベートーヴェンはこの人気を快く思っていなかったとされます。

構成分析

音楽的特徴

嬰ハ短調、2/2拍子です。右手の三連符が最後まで途切れず、この音型が全体のトーンを決めます。旋律は主に低音側で語られ、右手は同じ音型を保ちます。音量はpp〜pの範囲にとどまります。弱音と持続音を重ねたペダルの響きが主役で、旋律の動きは小さいです。この三連符の音型は終楽章のアルペッジョの動機へ発展し、全曲の統一にも関わります。

演奏のポイント

最大の課題はペダルです。現代のピアノは当時より余韻が長く、楽譜どおりの踏みっぱなしでは和声が濁ります。対策として、和声の変わり目ごとに踏み替える、ハーフペダルを使う、低音を無音で押さえてソステヌートペダルで保持する、などの方法があります。トーヴィは、速いテンポを選んで12/8のようになる解釈を戒めました。全曲では終楽章が技術・持久力ともに最も難しいです。

この音源について(収録エピソード)

演奏
マレイ・ペライア(ピアノ)
アルバム
Beethoven: Piano Sonatas Nos. 14 ("Moonlight") & 29 ("Hammerklavier")
レーベル
Deutsche Grammophon
録音
未確認(2018年2月発売)
録音場所
ベルリンの放送施設(ホール名は未確認)

Sony ClassicalからDGへ移ってからの録音です。The Classic Reviewによれば、制作の進め方は変わらずベルリンの放送施設で録られました。ペライアにとって月光もハンマークラヴィーアもこのレーベルでは初録音とされます。同評は月光のテンポ設定を適切と評し、ペダルは和声の変化ごとに替える穏当な扱いで、アタッカの指示どおり全楽章を途切れず弾いていると述べます。

音源の投稿元はoEmbedで確認済みです。このトラックが上記アルバムのものかは、演奏者とレーベルからの推定です。「未確認」は出典で確認できなかった項目です。

録音

実在と年を出典で確認できたもののみ掲載しています。

映画・ドラマ・アニメ

CM

確認できた出典はありません。

教科書・鑑賞教材

教科書・鑑賞教材での掲載を示す出典は確認できませんでした。

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