SUBURBIA CLASSICA › Songs › 管弦楽・室内楽

組曲「惑星」より 木星(快楽をもたらす者)

Jupiter, the Bringer of Jollity (The Planets, Op. 32)

活気ある舞曲風の主部と、中間部の広い旋律の対比が魅力です。中間部は英国の賛歌と平原綾香『Jupiter』の原曲にもなった、ホルスト『惑星』の代表楽章です。

プレイヤーで聴く(終わると次の曲へ)

作曲者
グスターヴ・ホルスト(20世紀・近代イギリス)
カテゴリ
管弦楽・室内楽
作曲年
1914(「木星」の作曲)/1917(管弦楽化の完成)
作品番号
Op.32(H.125)第4曲
調性・拍子
ハ長調(中間部は変ホ長調)。冒頭部は2/4拍子、第2主題と中間部は3/4拍子
形式
大きな三部形式。4つの主題をもち、中間部(Andante maestoso)の第4主題が再現部で戻る
難易度
未確認です。
献呈
未確認です(ボールトの手元の総譜に、ホルストが感謝の言葉を書き込んだ逸話はあります)。
ムード
華やか・荘厳

作曲の経緯

組曲『惑星』は1914年から1917年にかけて書かれ、「木星」は火星・金星に続き1914年の終わり頃に作曲されました。構想の発端は1913年春、ホルストが友人バルフォア・ガーディナーやバックス兄弟とスペインを旅したときの占星術をめぐる会話とされ、曲は天文学ではなく占星術上の性格づけに基づきます。当時ホルストはセント・ポール女学校とモーリー・カレッジの音楽教師で、作曲に使えたのは週末と休日だけでした。右腕の神経炎も重く、200ページ近い総譜の清書は同僚2人の手を借りたといいます。まずピアノ用に書かれ、管弦楽への書き直しは1917年に終わりました。ホルスト自身は、「木星」は日常的な意味での陽気さに加え、宗教的・国家的な祝祭に伴う儀式的な喜びももたらす、と記者に語っています。

出版・初演

組曲の初演は1918年9月29日、ロンドンのクイーンズ・ホールです。エイドリアン・ボールト指揮、招待客約250人の非公式な会でした。1919年2月27日の王立フィルハーモニック協会の演奏会では「木星」を含む5曲が一般公開で演奏されました。全曲の初の公開演奏は1920年11月15日、アルバート・コーツ指揮ロンドン響です。総譜はブージー&ホークス社から出版されました(1921年版)。

題名・通称の由来

副題の「Bringer of Jollity」は占星術上の木星の性格づけに由来します。ホルストは「日常的な喜びと、宗教的・国家的な祝祭のより儀式的な喜び」を指すと説明しました。日本語では「快楽」のほか「歓喜」などと訳されます。中間部の旋律は1921年に詩「I Vow to Thee, My Country」の旋律に転用され、のち賛歌曲「サクステッド」の名で知られています。日本では2003年に平原綾香『Jupiter』(吉元由美作詞)の旋律にもなりました。

構成分析

音楽的特徴

曲全体は活気に満ちた舞曲風の部分と、中間部の広い歌とのコントラストで成り立ちます。中間部の旋律は終止が解決しないまま次へ進む点も特徴とされます。『惑星』は大編成(オルガン、チェレスタ、テナーチューバなどを含む)で書かれており、この楽章でもその音色の幅が生かされます。

演奏のポイント

①冒頭のホルンの呼びかけと、舞曲風の主題の弾むリズムに耳が向きます。②中間部の第4主題は、ゆったりした歩みの中で幅広く歌います(ホルスト自身の録音は、のちの賛歌のイメージとは違う作りだと研究者が指摘しています)。③再現部でロ長調に戻る第4主題の高揚も聴きどころです。④最後のfffの一撃まで楽しみたいです。

この音源について(収録エピソード)

演奏
レナード・バーンスタイン指揮 ニューヨーク・フィルハーモニック(女声合唱:カメラータ・シンガーズ)
アルバム
未確認(Sony Classicalの「2017年リマスター版」として配信。原盤はコロンビア録音の『惑星』)
レーベル
Columbia(原盤)/Sony Classical(再発)
録音
1971
録音場所
エイヴリー・フィッシャー・ホール(ニューヨーク。Wikipediaの録音一覧の記載による)

バーンスタインとニューヨーク・フィルによる『惑星』は、1971年12月初めにニューヨークで録音され、1973年に発売されました。女声合唱はカメラータ・シンガーズの女声です。LPの後、CDで1985年と1997年に再発され、2022年にはDuttonからSACDにもなりました。この音楽は、1972年3月に放送されたバーンスタインの最後の「ヤング・ピープルズ・コンサート」の題材にもなっています。この盤の「木星」は、組曲を締めくくる前の華やかな楽章として収められています。

音源の投稿元(Leonard Bernstein - Topic)はoEmbedで確認済みです。「未確認」は出典で確認できなかった項目です。

録音

実在と年を出典で確認できたもののみ掲載しています。

映画・ドラマ・アニメ

CM

教科書・鑑賞教材

教科書・鑑賞教材での掲載を示す出典は確認できませんでした。

関連作品

トリビア

楽譜・他のサービスで聴く

IMSLP(楽譜)Apple Musicで探すSpotifyで探す

出典

この曲をシェア

XLINEFacebookはてブ

← 動物の謝肉祭 第13曲「白鳥」(チェロとピアノ版を中心に)トッカータとフーガ ニ短調 BWV565 →