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ゴルトベルク変奏曲 アリア
30の変奏の出発点となる、優美で静かなサラバンド風の主題です。不眠の伯爵の逸話でも知られる、夜に寄り添う音楽です。
作曲の経緯
ゴルトベルク変奏曲は、1741年にクラヴィーア練習曲集の第4部として出版された、アリアと30の変奏からなる作品です。名前の由来として語られるのは、1802年にフォルケルが伝えた逸話で、ロシア大使カイザーリンク伯が不眠の夜を慰める曲を求め、若い鍵盤奏者ゴルトベルクが演奏した、というものです。ただし出版譜に伯やゴルトベルクへの献呈がなく、当時ゴルトベルクが14歳ほどだったことから、この話の真偽には疑問も出されています。冒頭のアリアは優美で穏やかなサラバンドで、変奏はこのアリアの低音の進行を土台に展開します。
出版・初演
1741年、クラヴィーア練習曲集第4部として出版されました(2段鍵盤のチェンバロ用と表記)。
題名・通称の由来
1802年のフォルケルの伝記に基づく、ゴルトベルクが演奏したという逸話に由来するが、信憑性には疑問があります。
構成分析
- アリア サラバンド風の主題です。装飾音の多い旋律を持ちます。
- 30の変奏 アリアの低音の進行を土台に展開します。
- アリア・ダ・カーポ 最後に冒頭のアリアが戻って閉じます。
音楽的特徴
優美で静かな舞曲風の主題で、装飾音に富んだ旋律線が特徴です。変奏全体の出発点であり終着点でもあるため、全曲の枠を作る役割を持ちます。聴く人を穏やかな気持ちにさせる落ち着いた曲想です。
演奏のポイント
装飾音を拍の流れに溶け込ませ、旋律を歌わせることが第一です。繰り返しでの変化の付け方や、テンポの選び方で、印象が大きく変わります。
この音源について(収録エピソード)
グールドは1955年にデビュー盤として録音したゴルトベルクを、約26年後の1981年4〜5月に同じ30番街スタジオで再録音しました。しばしば深夜まで作業が続き、プロデューサーのサム・カーターが率いるCBSマスターワークスのチームが担当、リチャード・アインホーンも関わりました。ドキュメンタリー撮影のためフランスの映像作家ブルーノ・モンサンジョンも立ち会い、録音にその声が残ります。初出は1982年9月2日で、その約5週間後にグールドは世を去りました。全体は51分18秒で、1955年盤の38分34秒より大幅に長いです。1983年にグラミー賞(最優秀器楽ソロ)を受賞しました。使用ピアノはWikipediaでYamaha CF IIとされます。
音源の投稿元(SonyClassicalVEVO、題に Official Audio とある)はoEmbedで確認済みです。冒頭のアリアです。「未確認」は出典で確認できなかった項目です。
録音
実在と年を出典で確認できたもののみ掲載しています。
- グレン・グールド(1955年6月)
デビュー盤としての最初の録音です。演奏時間38分34秒です(Wikipedia)。 - グレン・グールド(1981年4〜5月)
最後のスタジオ録音です。演奏時間51分18秒です。1983年グラミー賞です(最優秀器楽ソロ)。
映画・ドラマ・アニメ
- 羊たちの沈黙(1991)
レクター博士が独房でアリアを聴く場面です(その後の『ハンニバル』でも使用)。
CM
確認できた出典はありません。
教科書・鑑賞教材
教科書・鑑賞教材での掲載を示す出典は確認できませんでした。
関連作品
- ゴルトベルク変奏曲 全曲
- クラヴィーア練習曲集
同じ作曲者の曲
トリビア
- ゴルトベルクの名は1802年のフォルケルの伝記で結びつけられました。
- 逸話では当時ゴルトベルクは14歳ほどで、話の真偽には疑問があります。
- 『ハンニバル』(2001)ではタイトル曲としても使われました。