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ブラームスの子守歌
友人の子の誕生を祝って書かれた、世界で最も有名な子守歌のひとつです。揺れる伴奏に素朴な旋律が乗ります。
作曲の経緯
1868年7月、ボンで作曲されました。友人ベルタ・ファーバーに次男が生まれたのを祝う贈り物で、ブラームスはハンブルクで彼女が所属した女声合唱団を指導していました。旋律にはアレクサンダー・バウマンのレントラーの引用が含まれるとされます。同年『5つの歌曲』Op.49の一曲としてジムロックから出版され、初演は1869年12月22日ウィーンで、ドゥストマンの歌とクララ・シューマンのピアノで行われました。ピアノ独奏版は出版直後から多数作られました。著名な例に、パーシー・グレインジャーが1922年に「お気に入りの旋律の自由な編曲」の一つとして作った独奏編曲があります。
出版・初演
1868年にジムロックから出版されました(Op.49)。第2連(シェーラーの詩)は後に追加されました(日本語版Wikipediaは1874年とします)。
題名・通称の由来
Wiegenliedはドイツ語で「子守歌」です。日本では「ブラームスの子守歌」と呼ばれ、歌い出しから「Guten Abend, gut' Nacht」とも呼ばれます。
構成分析
- 伴奏型 ゆりかごを思わせるシンコペーションの音形が全曲を支えます。
- 低音 変ホ音が持続して、落ち着きを表します。
- 第1連 『少年の魔法の角笛』の詩です(Guten Abend, gut' Nacht)。
- 第2連 ゲオルク・シェーラーの詩が、後から追加されました。
音楽的特徴
素朴な旋律と、ゆりかごを揺らすようなシンコペーションの伴奏が一体となった短い歌です。低音に変ホ音が保たれ、安らぎを生みます。一見とても簡素ですが、旋律に別の歌を隠し重ねた工夫があるとされます。1877年には交響曲第2番第1楽章の第2主題にも、この旋律の形が使われました。
演奏のポイント
旋律は揺れる伴奏の上に浮かべるように、拍を数えすぎず柔らかく歌います。伴奏の左手は音量を抑え、シンコペーションが旋律を押し出さないよう注意します。
この音源について(収録エピソード)
レーガーがブラームスの歌曲をピアノ独奏用に編んだ28曲の編曲を、ブッフビンダーが作品番号順に収めたアルバムです。2024年3月22日に発売されました。レーガーは、名作に華やかな装飾を加えるのは蛮行だと述べ、旋律線を際立たせて原曲の伴奏をできる限り忠実に残す方針を取ったと伝えられます。子守歌(作品49-4)は7曲目です。使用ピアノやエンジニアは確認できませんでした。
音源の投稿元(Topic/レーベル公式)はoEmbedで確認済みです。「未確認」は出典で確認できなかった項目です。
録音
実在と年を出典で確認できたもののみ掲載しています。
- ピアーズ・レーン(グレインジャー編曲、ピアノ独奏)(2001(録音))
Hyperion、2002年6月発売です。
映画・ドラマ・アニメ
確認できた出典はありません。
CM
確認できた出典はありません。
教科書・鑑賞教材
教科書・鑑賞教材での掲載を示す出典は確認できませんでした。
関連作品
- ブラームス「眠りの精」WoO.31-4
- ブラームス「聖なる子守唄」Op.91-2
- ブラームス 交響曲第2番 第1楽章
- グレインジャー「お気に入りの旋律の自由な編曲」
- ソルヴェイグの歌(北欧の歌曲編曲)
トリビア
- ブラームスは出版社ジムロックに、病気の子や悪童向けに短調版を作ってはどうか、と皮肉まじりに書き送っています。
- 1877年、交響曲第2番の第1楽章第2主題にこの旋律の形が用いられました。
- 第1連の詩は民謡詩集『少年の魔法の角笛』からです。